会員インタビュー INTERVIEW
「国内の展示会には一度も出ていない」化粧品OEMメーカーが最初から海外だけを見てきた理由
「国内の展示会には、一度も出たことがないんです」
大阪・高槻に本社を構える株式会社ルクセスの代表、高橋伸嘉さん。化粧品と健康食品のOEMを軸に、世界中の特殊な原料を使った独自性の高い製品開発を手がけてきました。自社ブランド「レスキュープレシャスシリーズ」は2025年のパリコレクションでバックヤード化粧品として採用され、2026年にはハノイで開催された美容イベントで高橋さん自身が1,000人以上のサロンオーナーを前に登壇しています。
現在の展開国は約10カ国。国際ビジネス連結機構には、設立とほぼ同時期に「情報ゼロ」で入会したといいます。海外市場をどう見て、これから何を狙うのか。率直にうかがいました。
OEM一本足からの転換
まず、御社の事業内容と主力商品について教えてください。
ジャンルとしては化粧品と健康食品です。世界中の特殊な原料を使った、ちょっとマニアックな商品が特徴ですね。メインはOEMと自社ブランドで、自社ブランドは今2ブランドほど展開しています。テーマは一貫して、お悩み解決です。
自社ブランドを始められたきっかけは何だったのでしょうか。
会社は今8年目なんですが、最初はOEMしかなかったんです。それがコロナでOEMの売上が前年比30%くらいまで落ちてしまって。これは一本に頼っていてはダメだなと思って、そこから自社ブランドをやり始めました。
現在の海外展開の状況はいかがですか。
細々としたものも含めると10カ国くらいですね。昨日ちょうどアフリカに新しく出荷が決まって、今日出荷するところです。台湾からOEMの話も来ていますし、ドン・キホーテさん向けのインバウンド用の商品もあります。海外は基本的に自社ブランドで攻めていて、9割が自社ブランドです。
取引が長いのはロシアやUAE。国数としてはアジアが中心を占めます。OEM先には売上高200億円規模の美容室卸や、90億円規模のサロン卸なども並び、機能水やイオン化ミネラルといった独自技術を軸にした開発実績を積み重ねてきました。

「日本の未来を感じない」——最初から海外だけを見ていた
海外展開を意識されたきっかけは何だったのでしょうか。
思いで言えば、小さい頃からずっと海外が大好きで、海外で仕事をしたいと思っていたんです。それをそのまま引きずったまま来ています。加えて、日本の未来を感じないというのも重なって。だから国内の展示会には一切出たことがないんですよ。海外だけです。ちょっといばらの道を進んでいる感じですけど、5年、10年したらものすごくいい芽が出るんじゃないかなと思っています。
本格的に動き出されたのはいつ頃ですか。
本格的にやり始めたのは去年ですね。2月ごろのシンガポールの展示会あたりから、とりあえず展示会に出たり商談会に行ったり。行き当たりばったりで動いているという感じですけど。
当機構と出会う前、海外展開でどのような課題がありましたか。
当時はまだそこまで動いていなかったので、顕在化していた課題という感じではないのですが、やはり販路がないというのが一番大きかったですね。前の会社でも海外の展示会に出したりはしていたんですが、展示会から実際に持っていくのも大変だなと。果たしてこのルートでいいのか、という疑問があったので、新しい形には惹かれました。
情報ゼロで飛び込んだ理由
入会の決め手を教えてください。
賀詞交歓会の時ですね。以前入っていた別の団体で講師陣の中に松浦さんがいらっしゃって、その中で松浦さんが一番好きだなと思っていたんです。実績もあるし、人としても好きだなと。だから松浦さんが始めたのなら、まあ間違いないのかなというところが大きかったです。
ほかにも理由はありましたか。
自分の中で流れは意識しているので、何かやりたいと思った時に、だいたい目の前に船みたいなものが来るんです。そのタイミングだったというのはありますね。
設立とほぼ同時期のご入会でした。
そうですね、何も情報ゼロで「とりあえず入ろう」という感じでした。
商談そのものより大きかった、横のつながりと情報
参加された取り組みの中で、成果があった部分を教えてください。
数字的に大きなものはまだこれからですが、一つは横のつながりですね。同じ思いの人たちとつながって、そこで今プロジェクト的に動いているものがあります。海外ツアー系に行くと、何日も一緒にいるのでものすごく仲良くなるじゃないですか。横のつながりだけで元が取れてしまう感覚があります。
もう一つは何でしょうか。
情報ですね。先日のマレーシアでも、普段会えないような人に会えました。TikTokのライブコマースのあたりは、アジアの盛り上がりを見ると、自社の戦略を考え直そうと思うくらいです。ああいう情報が得られるのは大きいですね。
マレーシアでの商談自体の手応えはいかがでしたか。
正直、直接的な商談としてはあまりなかったんです。ドラッグストア系の商材で、エステ卸のような弊社の商品とは年齢層も価格帯も基本的に合わない。ただ、それはそれで良くて、その辺りが知れただけでも良かったと思っています。あとは、あそこで連結のスタッフの方に気に入っていただいて、そこから連結としてのライブコマースにつなげていただいたというのはありますね。

「バイヤーは化粧品に飽きている」
実際に海外市場をご覧になって、感じたことを教えてください。
一番感じたのは、バイヤーさんが化粧品に飽きているな、ということですね。他の国の商談会に行った人も同じことを言っていましたが、化粧品というだけで、もう特徴を聞くことすらしてもらえない。特に顔用の化粧品は飽きられすぎています。ブランド数は10年前と比べて、地球全体で10倍以上になったんじゃないでしょうか。
その中で戦うには、何が必要だとお考えですか。
もう一段変わったものを出すとか、顔まわり以外のことをやるとか、そういうことをしないと、パッと興味を持ってもらうのは難しいですね。一方で、ライブコマースの勢いはものすごいなと思いました。日本には全然入ってこない情報です。そこに乗りたいと思ったので、あそこ専用の商品を作りたいなと考えています。
既存商品とは、どこにギャップがあったのでしょうか。
弊社の商品は今、40代から60代がメインで、価格帯は6,000円以上なんです。ライブコマースは20代から30代で、6,000円以下。見事に全部外れているんですよ。だから年齢層を下げて、単価も落として、ライブで売れるような商品を作っていこうかなと。その動きはもう少しずつ始めています。
「ここで稼ごうとしていない」
他の海外進出支援と比べて、当機構の特徴はどこにあると感じられますか。
やはり経営陣、トップの理事の方々が、自分のビジネスを別でしっかり成立させているというのが一番だと思います。仕事もできるし、ここで稼ごうとしていない。これは結構大きいです。他は大体そこで稼ごうとするので、どこかでお金を吸い取られている感じがしてしまう。
それが、どんな違いになって表れていますか。
サービス感がすごいというか。実力があるので人脈をつなげていけますし、バイタリティやスピード感が全然違いますね。海外に行くと、そういう話をずっと聞く機会もあるので、その辺りが見えていいですよね。

これからは「広げる」より「深める」
今後の海外展開の目標を教えてください。
これまではブランディングも兼ねて横に広げる、国の数を増やすという感じでした。それはそれで自然発生的に増えていくと思うのですが、1カ国あたりでまだ全然深掘りできる余地がいっぱいあるんです。もう少しターゲットと国を絞って、1カ国あたりの売上を上げていきたいですね。
具体的にはどの国を見ていらっしゃいますか。
ご縁がある国という感じで選んでいるのですが、今はベトナムですね。視察にも行ってきましたし、またちょいちょい行くことになると思います。あとは台湾です。今度OEMも始まりましたし、台湾はやりたいなと思っています。
台湾との縁は以前からありました。2024年10月には、花蓮市で開かれた地震復興のイベントに参加し、被害に遭われた方へ自社のレスキューシリーズを寄贈。市から感謝状を受けています。
入会を検討している企業へ
入会を検討されている企業が、迷うポイントはどこにあると思われますか。
一番勘違いされやすいのは、ライブコマースのサブスクサービスのように見られてしまうことでしょうね。「選ばれなかったら売上にならない」「それでは費用対効果が合わない」という判断になってしまう。でも、数字じゃない部分で全然返せると思うんです。それこそ横のつながりとか、先ほどの情報とか。そこは残しておいてほしいなと思います。
投資としてはどう捉えるべきでしょうか。
3年なり5年なりの投資だと思います。多分、国内に投資したほうがリターンは100倍あるかもしれない。経営者としては「いや、そっちだろう」と思うところもあります。でも国内は金利みたいなもので、大して増えないと思うんですよ。僕はOEMもいろいろやっているので、海外じゃないと跳ねないなといつも感じています。国内は堅実ですけど、跳ねるようなことは絶対に起こらない。
タイミングについてはいかがですか。
未来を見据えた投資として、今からやっておかないと、5年後に始めようと思っても周りが結構強くなっていて、そこから経験値を貯めていくと出足が遅れます。慣れるのにも時間がかかりますし、英語や輸出許可の手続きなど、覚えることもたくさんある。3年後にやろうと言って、半年後にできるものではないんです。だから、みんなが「今どうなんだろう」と悩んでいる時期こそチャンスだと思いますね。そこで行ってほしいなと思います。
編集後記
「国内の展示会には一度も出たことがない」という言葉に、高橋さんの姿勢が凝縮されていました。国内で実績を積んでから海外へ、という一般的な順路をとらず、最初から海外だけを見ている。それを「いばらの道」と表現しつつ、5年後10年後の芽を見据えている点に、投資としての海外展開という考え方が一貫しています。
もう一つ印象的だったのは、マレーシアでの商談が直接の成果につながらなかったことを「それはそれで良かった」と語ったことでした。ターゲットも価格帯も合わないと分かったこと自体を収穫として受け止める。その姿勢が、化粧品市場の飽和という現実を直視し、ライブコマース向けの新商品開発へと動く速さにつながっているのだと感じます。
国際ビジネス連結機構は、海外進出に挑む日本企業が最初の一歩を踏み出す場をつくり、その先を伴走します。海外展開にご関心のある方は、まずはお気軽にご相談ください。
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国際ビジネス連結機構には、大手企業から中小メーカーまで150社を超える企業が参加しています。台湾・シンガポール・ベトナム・香港でのライブコマースは累計100回・GMV4億円、マレーシア商談確約ツアーでは参加11社で66件の商談を実施しました。
「何から始めればいいかわからない」という段階からご相談いただけます。
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