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マレーシア法人設立の方法|手順・費用・注意点を解説
2026.5.13
マレーシア法人設立の方法|手順・費用・注意点を解説
「マレーシアに法人を設立したいけれど、何から始めればいいかわからない」「現地の手続きが複雑そうで不安」と感じていませんか?
マレーシアは東南アジアの中でも特にビジネス環境が整備された国であり、日本企業の進出先として年々注目度が高まっています。英語が公用語として機能し、税率が低く、親日的なビジネス文化を持つことから、初めての海外進出先として選ぶ企業も少なくありません。
この記事では、マレーシアで法人を設立する方法について、会社形態の選び方から登記手続き・必要書類・費用・外資規制の注意点・設立後の税務まで、実際に手を動かせるレベルで詳しく解説します。初めて海外進出を検討している経営者・担当者の方が「読んだら実行できる」内容を目指しました。ぜひ最後までお読みください。

目次
マレーシアで法人設立するメリットと主な会社形態
![マレーシアのクアラルンプール都市景観とビジネス街]
マレーシアでビジネスをするメリット
マレーシアは、東南アジアの中でも特に外国企業にとって参入しやすい市場として知られています。主なメリットを以下に整理します。
① 法人税率の低さと税制優遇
マレーシアの標準法人税率は24%ですが、中小企業向けには最初の15万リンギットについて15%の軽減税率が適用されます(2023年度改正後)。また、製造業・ハイテク産業・特定のフリーゾーン進出企業向けには、パイオニアステータスやインベストメント・タックス・アローワンスなどの大型優遇措置も用意されています。法人税だけでなく、キャピタルゲイン税が基本的に存在しない点も魅力です。
② 英語環境とビジネスのしやすさ
マレーシアでは英語が広く通用し、政府機関・銀行・法律事務所とのやり取りも英語で行えます。公用語はマレー語ですが、ビジネスの現場では英語が標準的に使われているため、東南アジアの中では情報収集や現地対応の難易度が比較的低い国です。
③ 親日国としての文化的背景
マレーシアには「ルックイースト政策」(日本・韓国を経済モデルとして学ぶ政策)の歴史があり、日本のビジネス文化や品質基準に対する理解が深い傾向があります。日系企業コミュニティも充実しており、現地で情報交換しやすい環境が整っています。
④ ASEAN市場へのゲートウェイ
マレーシアはASEAN加盟国であり、域内関税の撤廃・削減により、タイ・インドネシア・ベトナムなど周辺国へのアクセスが容易です。東南アジア全体への展開を視野に入れる場合、マレーシアを拠点にするのは理にかなった戦略といえます。
主な会社形態の比較
マレーシアで外国企業が設立を検討する主な会社形態は以下の3種類です。
① Sdn Bhd(Sendirian Berhad)=有限会社
最も一般的な形態で、日本の株式会社に相当します。株主責任が出資額に限定され、法人格を持つため取引上の信頼性も高い。外資100%での設立が可能な業種も多く、日本企業が選ぶ場合の第一候補です。本記事では主にSdn Bhdを前提に解説します。
② LLP(Limited Liability Partnership)=有限責任事業組合
2012年に導入された比較的新しい形態。会計士・弁護士などの専門職や中小規模のパートナーシップ向けで、設立・維持コストが安い反面、外国人の参加には一定の制限があります。
③ ブランチオフィス(Branch Office)=支店
日本本社の延長として設立する形式。設立手続きが比較的簡単ですが、本社がすべての責任を負うため、リスク管理の観点からは子会社形式(Sdn Bhd)が好まれることが多いです。
事業内容・規模・将来の展開計画によって最適な形態は異なります。迷う場合は専門家や現地コンサルタントに相談するのがおすすめです。

マレーシア法人設立の全ステップ【準備〜登記完了まで】
![マレーシア法人設立の手順を示すフローチャート図]
マレーシアでSdn Bhdを設立する際の標準的なプロセスは、大きく7つのステップに分けられます。以下では時系列順に解説します。
ステップ1〜3:事前準備と社名予約
ステップ1:設立計画の確定
まず、以下の基本情報を固めます。
- 事業の目的・業種(定款に記載)
- 株主構成と出資比率
- 取締役の人数と氏名(最低1名はマレーシア居住者が必要)
- 登記住所(バーチャルオフィスも可)
- 資本金の額
ステップ2:社名の予約(Name Reservation)
マレーシアの会社登記機関であるSSM(Suruhanjaya Syarikat Malaysia/マレーシア会社委員会)のオンラインポータル「MyCoID」から社名の空き確認・予約申請を行います。費用は30リンギット(約1,000円)程度で、承認後30日間予約が保持されます。既存の会社名や商標と類似した名前は却下されるため、複数の候補を用意しておきましょう。
ステップ3:定款の準備
マレーシアでは2016年会社法施行後、定款(Constitution)の作成は任意となりました。作成しない場合は会社法の標準規定が適用されます。ただし、株主間で特別な取り決めが必要な場合は定款を作成しておくと安心です。
ステップ4〜5:SSMへの登記申請と書類提出
ステップ4:SSMへのオンライン申請
MyCoIDポータルを通じてオンラインで法人登記申請を行います。提出する主な情報は以下の通りです。
- 会社名(予約済み)
- 事業目的・業種コード
- 登記住所
- 株主・取締役の個人情報(パスポートコピー等)
- 資本金の額と株式数
申請後、通常1〜3営業日以内に承認通知が届き、設立証明書(Certificate of Incorporation)がデジタル発行されます。
ステップ5:カンパニーセクレタリーの任命
マレーシアの会社法では、全ての法人にライセンスを持つカンパニーセクレタリー(Company Secretary)を任命することが義務付けられています。カンパニーセクレタリーは法定書類の作成・SSMへの申告・株主総会の議事録管理などを担当する法定役職です。多くの場合、設立代行業者がカンパニーセクレタリーのサービスを含めて提供しています。
ステップ6〜7:銀行口座開設と事業ライセンス取得
ステップ6:法人銀行口座の開設
法人登記完了後、マレーシア現地銀行に事業用口座を開設します。主要銀行はMaybank、CIMB Bank、Public Bank、RHB Bankなどです。口座開設には通常、以下が必要です。
- 設立証明書(Certificate of Incorporation)
- 定款(作成している場合)
- 取締役・株主の本人確認書類
- 会社のビジネスプラン(銀行によって要求)
口座開設審査には2〜4週間程度かかるケースが多く、担当者との面談が必要な銀行も多いです。
ステップ7:業種別ライセンスの取得
業種によっては、SSM登記後に別途ライセンスや許認可の取得が必要です。例えば、飲食業であれば保健省の許可、金融サービスであれば中央銀行(BNM)の認可、人材派遣業であれば労働省の登録などが求められます。必要なライセンスは業種ごとに異なるため、事前に専門家に確認しましょう。

設立に必要な書類・費用・期間の目安チェックリスト
![マレーシア法人設立に必要な書類と費用の一覧チェックリスト]
必要書類チェックリスト
以下は、Sdn Bhd設立に一般的に必要な書類の一覧です。事前に準備しておくとスムーズに進められます。
日本側で準備する書類
- [ ] 株主全員のパスポートコピー(顔写真ページ)
- [ ] 取締役全員のパスポートコピー
- [ ] 株主が法人の場合:日本法人の登記簿謄本(英語訳付き)
- [ ] 株主が法人の場合:定款・取締役会議事録(英語訳付き)
- [ ] 事業計画書(概要)
- [ ] 居住証明書(公共料金の請求書等)
現地で用意・作成する書類
- [ ] マレーシア居住者取締役の身分証(MyKAD等)
- [ ] 登記住所の証明(テナント契約書またはバーチャルオフィス契約書)
- [ ] 定款(任意、作成する場合)
- [ ] 株主名簿・取締役名簿の申告書
- [ ] カンパニーセクレタリーとの委任契約書
費用の目安
| 項目 | 費用の目安 |
|---|---|
| SSM登記手数料(資本金1万リンギット未満) | 1,000リンギット(約3万円)程度 |
| 社名予約費用 | 30リンギット(約1,000円) |
| 設立代行費用(エージェント) | 5万〜20万円程度 |
| カンパニーセクレタリー年間費用 | 3万〜8万円程度 |
| 登記住所(バーチャルオフィス年間) | 1万〜3万円程度 |
| 銀行口座開設手数料 | 銀行による(無料〜数万円) |
| 業種別ライセンス取得費用 | 業種・ライセンスによって大きく異なる |
※上記はあくまで目安です。為替レートや代行業者によって変動します。
設立期間の目安
| フェーズ | 標準所要期間 |
|---|---|
| 社名予約 | 1〜3営業日 |
| SSM登記(申請〜証明書発行) | 1〜5営業日 |
| 銀行口座開設 | 2〜4週間 |
| 業種別ライセンス取得 | 2週間〜3ヶ月(業種による) |
| 合計(ライセンス不要の場合) | 約1〜2週間 |
| 合計(ライセンス含む場合) | 1〜3ヶ月 |
SSM登記自体は非常にスピーディーに完了しますが、銀行口座開設や業種ライセンスを含めると1〜2ヶ月は見ておくと安心です。特にライセンスが必要な業種の場合は、準備期間を多めに取るようにしましょう。

外資規制・資本金・ビザ取得で失敗しないための注意点
![マレーシアの外資規制と資本金要件の説明資料]
マレーシアは比較的外資に開放的な国ですが、業種・ビザ・資本金については見落としやすい落とし穴があります。事前にしっかり確認しておきましょう。
外資規制:外資100%が可能な業種とそうでない業種
マレーシアでは、多くのサービス業・製造業・IT関連業において外資100%での設立が認められています。しかし、一部の業種ではマレーシア人または現地資本との合弁(Bumiputera枠の設定)が求められます。
外資制限が設けられやすい主な業種例:
- 小売業・流通業:一定規模以上の場合、マレーシア人株主の参加が求められることがある
- 農業・天然資源関連
- 建設業・エンジニアリング:ライセンス取得にマレーシア資本比率の要件あり
- 専門職サービス(法律・会計等):現地資格保有者との連携が必要
一方、製造業・IT・コンサルティング・教育・ヘルスケアなどは外資100%での参入が認められているケースが多くあります。ただし規制は随時改定されるため、マレーシア投資開発庁(MIDA)や商業省(MITI)の最新ガイドラインを必ず確認してください。
資本金:最低1リンギットでも設立可能だが実態は異なる
法定最低資本金は1リンギット(約30円)から可能ですが、以下の点に注意が必要です。
就労ビザ取得への影響
外国人が取締役や代表者として就労ビザ(Employment Pass)を申請する場合、資本金や会社の財務規模に要件が設けられています。例えば、雇用主として就労ビザを発給するためには、払込資本金が一定額(概ね50万リンギット〜)以上であることが求められるケースがあります。
投資家・経営者向けビザの要件
マレーシアには「MM2H(Malaysia My Second Home)」という長期滞在ビザがありますが、2021年以降に要件が大幅に厳格化されました。MM2Hは就労目的ではなく長期滞在目的のビザであるため、事業運営を目的とする場合は就労ビザや企業駐在員ビザとの違いを理解したうえで選択することが重要です。
取締役のマレーシア居住者要件
マレーシアの会社法では、Sdn Bhdの取締役のうち最低1名はマレーシアに通常居住している者でなければなりません。日本人のみで法人を設立する場合、マレーシア在住の日本人(就労ビザ保有者など)か、現地の名義取締役(Nominee Director)サービスを活用する方法があります。
名義取締役を利用する場合は、権限の範囲や撤退時のリスクについて契約書で明確に取り決めておくことが不可欠です。信頼できる現地パートナーや法律事務所と組むことをおすすめします。
外資規制確認のための実務チェックリスト
- [ ] 自社業種がマレーシアの外資制限リストに該当しないか確認
- [ ] MIDAまたはMITIのウェブサイトで最新の外資規制を確認
- [ ] 資本金の額が就労ビザ申請要件を満たしているか確認
- [ ] 取締役にマレーシア居住者が最低1名含まれているか確認
- [ ] 業種別ライセンスの取得要件(外資比率含む)を事前調査

法人設立後に必要な税務・会計・現地パートナー活用のポイント
![マレーシアの税務申告と現地ビジネスパートナーとの打ち合わせ]
法人設立はゴールではなく、スタートです。設立後の税務・会計・コンプライアンス義務を怠ると、罰金や事業停止リスクがあります。また、現地パートナーをうまく活用することで事業の成長スピードを大幅に高めることができます。
マレーシアの法人税・GST/SSTの基礎知識
法人税(Corporate Income Tax)
マレーシアの法人税率は以下の通りです。
- 標準税率:24%
- 中小企業(払込資本金250万リンギット以下)の軽減税率:最初の15万リンギットは15%、次の45万リンギットは17%、残額は24%(2023年度税制改正後)
課税所得はマレーシア国内源泉の所得が基本ですが、海外から送金された所得の取り扱いは最新の税法を確認する必要があります。
SST(Sales and Services Tax)
マレーシアは2018年にGSTを廃止し、SST(物品税6%・サービス税8%)に移行しました。年間売上が一定額(サービス業で50万リンギット)を超える場合はSST登録が義務となります。登録後は定期的な申告・納付が必要です。
会計・監査・申告の義務
会計帳簿の保管
マレーシアの会社法により、すべての法人は会計帳簿を最低7年間保管する義務があります。会計基準はマレーシア財務報告基準(MFRS)またはマレーシアプライベートエンティティ向け報告基準(MPERS)に従います。
年次申告・監査
- 年次報告書(Annual Return):毎年SSMに提出義務あり
- 財務諸表(Audited Financial Statements):原則として外部監査が必要(免除要件あり)
- 法人税申告書(Form C):会計年度終了後7ヶ月以内にIRB(内国歳入庁)に提出
設立直後から公認会計士(Chartered Accountant)や税理士と顧問契約を結び、申告漏れや遅延を防ぐ体制を整えることを強くおすすめします。
現地パートナー活用で事業を加速させる
マレーシアビジネスで成果を上げた企業の多くが共通して言うのが、「信頼できる現地パートナーとの連携が事業成否を左右する」という点です。現地パートナーは単なる業務委託先ではなく、規制動向・商習慣・政府機関との関係・現地顧客ネットワークを持つ事業上の重要な味方です。
現地パートナー選定で押さえるべきポイント:
- 業種・ターゲット市場との親和性:自社の事業領域で実績があるか
- 財務健全性・コンプライアンス:SSMへの登記状況・財務状況の確認
- 文化的・言語的ブリッジ機能:マレー語・中国語・英語の対応力
- 参照可能な取引実績:既存の取引先からの推薦状・紹介可否
現地パートナーを自社のネットワークだけで見つけるのは時間も労力もかかります。実績あるネットワークを活用することで、適切なパートナーを短期間で見つけることが可能です。
よくある質問(FAQ)
Q. マレーシアで法人設立する際の最低資本金はいくらですか?
A. Sdn Bhdの場合、法定最低資本金は1リンギット(約30円)から設立可能ですが、外資100%の場合はビザ取得要件などで一定額が求められるケースがあります。就労ビザ申請を前提とする場合は、50万リンギット以上の資本金を設定することが推奨されることがあります。
Q. 日本人だけでマレーシアに法人を設立できますか?
A. Sdn Bhdは外資100%での設立が可能な業種も多く、日本人のみで設立できます。ただし取締役1名以上はマレーシア居住者である必要があります。マレーシア在住の日本人を取締役に加えるか、名義取締役サービスを活用する方法があります。
Q. マレーシア法人の設立にかかる期間はどれくらいですか?
A. SSMへのオンライン申請から登記完了まで通常1〜2週間程度です。銀行口座開設や各種ライセンス取得を含めると1〜2ヶ月を見込むと安心です。
Q. マレーシア法人設立を現地代行業者に依頼する費用の相場は?
A. 代行費用は政府手数料別で5万〜20万円程度が相場です。カンパニーセクレタリーの年間費用も別途3万〜8万円ほどかかります。費用の安さだけで選ぶと、サポートの質に差が出るケースもあるため、実績と対応範囲を確認して選ぶことが重要です。
Q. マレーシアに進出する際、現地パートナー探しはどうすればいいですか?
A. 信頼できる現地パートナーの選定が成否を左右します。自社のネットワークだけで探すのは難しいため、実績あるビジネスネットワークを活用することが近道です。
まとめ:マレーシア法人設立は準備と現地ネットワークがカギ
マレーシアでの法人設立は、SSMへのオンライン申請から登記完了まで最短1〜2週間と、東南アジアの中でも手続きの透明性・スピードに優れた国です。しかし、外資規制の確認・取締役要件・ビザと資本金の関係・設立後の税務申告義務など、準備不足のままでは思わぬ落とし穴にはまるリスクもあります。
成功のポイントは次の3つに集約されます。
- 自社業種の外資規制を事前に正確に把握する
- 設立初期から会計士・カンパニーセクレタリーと連携する
- 信頼できる現地パートナーネットワークを活用する
特に「現地パートナーをどう見つけるか」は、多くの日本企業が時間とコストをかける部分です。
海外進出の最初の一歩を、私たちと一緒に。
国際ビジネス連結機構(kokusaibiz.org)では、マレーシアをはじめとするアジア・欧米各国での事業展開を検討している日本企業を支援しています。当機構が誇る審査済みの現地パートナーネットワークを活用することで、信頼できる現地のビジネスパートナーや設立支援業者を短期間でご紹介することが可能です。
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