製造業の海外進出において、ライブコマースは「試してみたいが、何から参考にすればいいかわからない」っていう声をよく聞きます。国内市場が縮小傾向にある中、海外販路の開拓は喫緊の課題ですが、実際にどんな企業がどんな形でやってるのか、手触り感のある事例が少ないんですよね。製造業特有の「モノのよさは自信があるけど、海外での売り方がわからない」という課題に、ライブコマースはひとつの有力な答えになりつつあります。
この記事では、製造業が参考にすべきライブコマースの成功事例を5つ厳選してご紹介します。事例ごとに「なぜ売れたのか」「製造業のどういった特性と相性がよかったのか」を整理しながら、あなたの会社が次のアクションを考えるための判断材料をお届けできたらと思っています。
こんな方にオススメ
- 海外販路を開拓したいが、どの手法から始めればいいか迷っている製造業の担当者・経営者
- ライブコマースの効果が気になっているが、自社業種での活用イメージが湧いていない方
- 台湾・東南アジアなど特定市場への進出を検討しており、具体的な成功パターンを知りたい方
この記事を読むと…
- 製造業が参考にすべきライブコマース成功事例の共通パターンが理解できる
- 台湾・シンガポール・ベトナムなど市場別の特徴と成功要因がわかる
- 自社の強みをライブコマースでどう活かすか、次の一手を考えるヒントが得られる
製造業がライブコマースで成果を出すための前提条件
目次
ライブコマースで成果を出している製造業には、共通した「準備の型」があります。事例を見る前に、まずその前提を整理しておきましょう。
製造業とライブコマースの相性がいい理由
製造業の最大の強みは「モノそのものの品質」と「製造工程の透明性」です。ライブコマースはまさにこの強みを最大限に活かせる販売チャネルと言えます。視聴者はリアルタイムで商品の質感・使い勝手・製造背景を確認できるため、テキストや画像だけでは伝わらない「本物感」をダイレクトに届けられるんですよね。
たとえば、金属加工品なら「精度の高さ」を実際に見せながら説明できますし、食品加工業なら「原材料のこだわり」をライブで語ることで、消費者との信頼関係を即座に構築できます。一般的な傾向として、ライブコマースは静的な商品ページと比べてエンゲージメントが大幅に高まるとされており、製造業の商品特性との相性は特に良いとされています。
成功事例に共通する「3つの要素」
5つの事例を分析する中で見えてきた共通要素は、「現地化」「ストーリー」「スピード」の3点です。現地の言語・文化・トレンドに合わせたコミュニケーションができているか、製品の背景にある職人技や開発ストーリーを語れているか、そして市場の反応を見ながら素早くPDCAを回せているかどうかが成否を分けています。
製造業の担当者の方からよく聞くのが「ウチの商品は品質に自信があるけど、海外でどう説明したらいいか…」という悩みです。この3要素を意識するだけで、その悩みへの答えがかなり見えてくるかなっていうところがあります。
事前に整備しておくべきオペレーション体制
ライブコマースで売上が立ち始めたとき、在庫・物流・決済の体制が整っていないと機会損失に直結します。事前に整備しておくべき主な項目は以下のとおりです。
- 現地向け在庫の確保と管理体制(倉庫の現地確保または越境配送の手配)
- 現地通貨・決済手段への対応(QRコード決済・クレジットカード対応等)
- 配送リードタイムの明示と返品ポリシーの整備
- 現地語での問い合わせ対応体制
- ライブ配信後の追跡・データ分析の仕組み
製造業が参考にすべきライブコマース成功事例5選
ここからは、実際に成果が出ているライブコマースの事例を5つご紹介します。いずれも製造業の担当者が「自分ごと」として参考にできる要素が含まれていますので、ぜひじっくり読んでいただければと思います。
事例1:台湾ATMライバーとの連携で4日間GMV約1億1,200万円
国際ビジネス連結機構が支援した台湾での事例では、台湾ATMライバーと4日間5回のライブ配信を実施し、販売14,000点・GMV約1億1,200万円という実績を達成しています。日本の製造業が手がけた商品を現地トップライバーが紹介するという形で、「日本品質×現地の信頼感」を最大限に活用したモデルです。
この事例が特筆すべきなのは、単に商品を並べて紹介するのではなく、ライバーが日本の製造背景や品質基準を視聴者に丁寧に説明する形式をとった点です。台湾の消費者は日本製品への信頼度が高いとされており、製造業の「品質への自信」をそのまま販売武器に転換できた好例と言えます。製造業の担当者が「うちの商品の強みをどう海外で伝えるか」という問いを持っているなら、まさにこのモデルが参考になるかなっていうところです。
POINT
台湾市場は日本製品への親和性が高く、製造業がライブコマースをテスト導入するうえで特に相性のよい市場とされています。国際ビジネス連結機構では台湾での実績を積み重ねており、最初の一歩として台湾を選ぶ会員企業が多い傾向があります。
- 日本国内で実績はあるが海外販路を持っていないメーカー
- 品質に自信があり、その背景ストーリーを持っている製造業
- 台湾・東アジア市場をまずテスト的に試したい企業
事例2:台湾花蓮将軍府イベントで3日間GMV400万円
台湾・花蓮の将軍府1936という歴史的な会場で実施されたポップアップイベントと連動したライブコマースでは、3日間でGMV400万円を達成しています。このイベントは日台震災復興支援という文脈も持ち、単なる商業イベントを超えた「意義のある場」として現地メディアにも取り上げられました。
製造業の観点から参考になるのは、「リアルイベントとライブコマースの掛け合わせ」というモデルです。現地での実物展示と同時にオンラインでライブ配信することで、会場に来られない視聴者にもリーチできる「ハイブリッド型」の販売が実現できています。特に高単価・高品質な製造業の商品は、実物を見て確認できる場所と、オンラインで広く告知する仕組みを組み合わせることで、より効果的に訴求できるんですよね。
なお、このイベントは台湾テレビ局・花蓮新聞網でも紹介されており、メディア露出という副次的な効果も得られています。詳しくは花蓮将軍府イベントのレポート記事もご覧いただけます。
事例3:台湾三創生活園区での期間限定ショップ×ライブ配信
台北市政府公認の商業施設「三創生活園区」(月間来客100万人以上)に日本をテーマにした期間限定ショップを出店し、ライブコマースと連動させた事例です。台北市政府出資組織「三創」との共同ポップアップ「職日生策展」として実施され、現地メディアからも注目を集めました。
この事例のポイントは「公認の場所」という信頼性です。製造業の商品は、誰でも出品できるECモールではなく、信頼性の高い場所・パートナーと組むことで、消費者の購買心理に安心感を与えられます。ライブコマースは視聴者との信頼関係構築が命ですが、その信頼の土台を「場所と主催者のブランド」が支えるという構造は、製造業が海外に出るときに積極的に活用したいモデルです。詳しくは三創生活園区の取り組みレポートもご参照ください。
事例4:マレーシア商談確約ツアーで11社が66回商談・6社成約見込み
マレーシアで実施された商談確約ツアーでは、参加11社・商談66回・成約見込み6社という実績が出ています。これはライブコマース単体ではなく、商談とライブコマース・展示販売を組み合わせた「複合型進出モデル」の事例です。
製造業の担当者がよく感じる「ライブコマースだけで本当に売れるのか?」という不安に対して、このモデルは一つの答えを示しています。ライブ配信で商品を知ってもらい、現地バイヤーとの商談で取引を確定させる流れは、B2BとB2Cを組み合わせた現実的なアプローチと言えます。台湾ドラッグストア佑全(120店舗)との商談で約10商品の取り扱いが確定した事例も、同様のモデルから生まれた成果です。
INFO
マレーシア市場では、マレーシアMPAICC(政府唯一認定ペット業界商工会議所)との友好提携も締結されており、特定業種(ペット・美容・食品など)のメーカーには特に有利な環境が整ってきています。
事例5:RENKETSU LIVEで4カ国・累計100回・GMV4億円
国際ビジネス連結機構が展開するRELENKETSU LIVEは、台湾・シンガポール・ベトナム・香港の4カ国で累計100回以上のライブ配信を実施し、GMV4億円を達成しているプログラムです。2026年は1,000回の実施を予定しており、製造業の海外展開を包括的に支援する仕組みが整っています。
会員企業として参加している企業には、POLA ORBIS・WEGO・Afternoon Tea・KINCHO・ONWARD・土屋鞄などの大手ブランドも含まれており、製造業・小売業問わず多様な業種が活用しているのが特徴です。製造業の担当者にとっては「自社だけでゼロから立ち上げる」のではなく、すでに機能している仕組みに乗っかる形で海外展開できる点が大きなメリットになっていますね。
- 単発ではなく継続的な海外販売の仕組みを作りたいメーカー
- 複数の国・市場に同時にアプローチしたい製造業
- 海外展開の経験がなく、まずはパートナーと一緒に動きたい企業
5事例の比較表:製造業が参考にすべきポイント整理
ここまでご紹介した5つの事例を、製造業の担当者が判断しやすい軸で整理しました。どの事例が自社の状況に近いか、比較しながら確認してみてください。
| 事例 | 対象市場 | 主な販売形式 | 実績(GMV等) | 製造業への適合度 | 特に向いている業種 |
|---|---|---|---|---|---|
| ①台湾ATMライバー連携 | 台湾 | トップライバーによるライブ配信 | 4日間 約1億1,200万円 / 14,000点 | ◎ | 日用品・美容・生活雑貨系メーカー |
| ②花蓮将軍府イベント | 台湾(地方) | リアルイベント×ライブ配信 | 3日間 GMV400万円 | ○ | 食品・伝統工芸・高単価製品 |
| ③三創生活園区ショップ | 台湾(台北) | 期間限定店舗×ライブ連動 | 月間100万人商業施設での展開 | ◎ | ブランド訴求したい中堅メーカー |
| ④マレーシア商談ツアー | マレーシア | 商談+展示×ライブ配信 | 11社・66商談・6社成約見込み | ○ | B2B取引も視野に入れる製造業 |
| ⑤RENKETSU LIVE(4カ国展開) | 台湾・シンガポール・ベトナム・香港 | 継続型ライブコマースプログラム | 累計100回・GMV4億円 | ◎ | 多市場展開を目指す幅広い製造業 |
製造業がライブコマース成功事例から学ぶ実践ポイント
事例を「ふーん、そうなんや」で終わらせないために、製造業の担当者が実際に動くための実践ポイントを整理します。
「職人技・品質ストーリー」を映像で語れる準備をする
製造業がライブコマースで差別化できる最大の武器は、製造工程・素材・品質へのこだわりをリアルタイムで見せられることです。成功事例を見ると、単に「商品紹介」で終わっている配信は売れにくく、「なぜこの商品が生まれたのか」「どんな技術・工程で作られているのか」をストーリーとして語れている配信が高いGMVを出しています。
具体的には、工場の映像や製造工程の簡単な紹介動画を事前に準備しておくこと、製品開発の背景を2〜3分で語れるシナリオを作っておくことが有効です。難しく考える必要はなくて、「うちのモノがなぜいいのか」を普段の言葉で語れる人が一人いれば、それだけで他との差別化になりますね。
現地ライバーへの商品説明・ブリーフィングを丁寧に行う
現地のトップライバーは、商品の魅力を自分の言葉で視聴者に届けるプロです。ただし、製造業の技術的な商品特性を正確に伝えるためには、事前のブリーフィングが欠かせません。一般的に言われているように、ライバーへの情報提供が不十分だと、商品の本当の強みが伝わらず販売機会を損失するリスクがあります。
成功事例では、ライバーへの商品説明に時間と工数をかけていたことが共通しています。製品の使い方・注意点・競合との違い・ターゲット顧客像などを資料にまとめて共有し、事前の試用・体験時間を設けることで、ライバーが「自分の商品」として自信を持って紹介できる状態を作ることが重要です。
テスト販売で数字を取ってから本格投資する
製造業の経営者からよく聞く懸念は「海外への初期投資が怖い」というものです。この点については、まずは小さなテスト販売から始めて、市場の反応を数字で確認してから本格展開に移行するアプローチが現実的です。マレーシアの商談確約ツアー事例でも、最初から大きな在庫を持ち込んだわけではなく、商談での反応を見ながら取引規模を判断しています。
「テスト的に海外販売できる環境を探している」という製造業の担当者には、すでに仕組みが整っている場に乗っかることで、初期リスクを最小化しながら海外市場の手触り感を得られるかなっていうところです。
- 現地語・現地文化への配慮なく日本向けのPRをそのまま使ってしまう
- 在庫・物流の準備が不十分なまま配信してしまい、注文に対応できない
- 1回の配信で結果を判断して継続をやめてしまう(一般的に複数回の継続が成果につながるとされています)
- ライバー任せにしてブランドメッセージが正確に伝わらない状態になる
- 価格設定を現地市場の相場と照合せずに設定してしまう
まとめ:製造業の次の一手としてライブコマースを
5つの事例を振り返ると、製造業がライブコマースで成果を出すための共通パターンが見えてきます。「現地化」「ストーリー」「スピード」の3要素を軸に、信頼できる現地パートナーと連携しながら、テスト販売で市場の反応を確かめることが成功への近道です。
台湾ATMライバーとの連携(GMV約1億1,200万円)、花蓮将軍府での3日間400万円、三創生活園区での期間限定展開、マレーシアでの66商談・6社成約見込み、そしてRELKETSU LIVEの累計GMV4億円——いずれの事例も「自社単独でゼロから立ち上げた」のではなく、現地のネットワーク・信頼関係を持つパートナーと組んでいる点が共通しています。
製造業の強みである「モノの品質」と「製造ストーリー」は、ライブコマースという場で最も輝く武器になりえます。国際ビジネス連結機構では、台湾・シンガポール・ベトナム・香港の4カ国でのライブコマース実績と、150社を超える会員ネットワークを活かした支援を行っています。「まずは話を聞いてみたい」という段階から歓迎しておりますので、気軽にご相談いただければと思います。
- 海外販路を開拓したいが、どこから始めればいいかわからない製造業の担当者・経営者
- ライブコマースをテスト的に試したいが、現地ネットワークを持っていない企業
- 台湾・シンガポール・東南アジア市場への展開を検討しているメーカー
国際ビジネス連結機構の主な支援実績(クリックで表示)
よくある質問
製造業でもライブコマースは活用できますか?
はい、製造業はライブコマースと相性の良い業種の一つです。製造工程の透明性・品質のこだわり・職人技といった強みをリアルタイムで伝えられるため、消費者との信頼関係を素早く構築できます。実際に、日用品・美容・食品・伝統工芸品など幅広い製造業が活用している事例があります。
ライブコマースを始めるのに、まず何を準備すればいいですか?
最初に整備すべきは「市場選定」「現地パートナー(ライバー・支援機関)の確保」「在庫・物流・決済の体制」の3点です。特に製造業の場合、商品の品質背景を伝えるストーリーと、それを現地語で届けられるライバーとの連携が成功のカギになります。
台湾市場はなぜ製造業の最初の進出先として選ばれやすいのですか?
台湾は日本製品への消費者の信頼度が高く、文化的な親和性も比較的高い市場とされています。また、国際ビジネス連結機構のような支援組織の現地ネットワークが整っており、テスト販売のハードルが低い点も理由の一つです。実際に、台湾ATMライバーとの連携で4日間GMV約1億1,200万円という実績も生まれています。
ライブコマースの費用対効果はどう判断すればいいですか?
一般的には、GMV(総販売額)・販売点数・視聴者数・フォロワー増加数などを指標として活用します。ただし最初の配信で大きな成果を期待するより、複数回継続する中で商品の認知度が上がり、成果が出てくるケースが多いとされています。まずはテスト販売で数字を取ることを目的にした設計が現実的です。
ライブコマース以外の販売形式と組み合わせることはできますか?
はい、むしろ組み合わせの方が効果的なケースが多いです。マレーシア商談確約ツアーのように「現地商談+ライブ配信」の複合型や、三創生活園区のように「期間限定リアル店舗+ライブ連動」の形式も実績があります。製造業のB2B取引を視野に入れた場合は、商談と組み合わせることでより現実的な成果につながりやすいとされています。
