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エジプト進出ガイド|EDA・GAFIと北アフリカ最大市場への参入戦略・許認可フロー

COLUMN

2026.8.7

エジプト市場への進出を検討している企業のうち、EDA(エジプト医薬品局)やGAFI(一般投資・フリーゾーン庁)などの規制当局との向き合い方が分からない、あるいは「アフリカ最大級の市場」と聞くものの具体的なビジネスフローが見えないという担当者は少なくありません。エジプトは人口約1億人を擁し、アフリカ大陸の中でも屈指の市場規模を持ちますが、外資参入に際しては複数の許認可フローと為替・政情リスクを正確に把握しておく必要があります。

本記事では、エジプト進出を検討する日本のメーカーや商社の担当者向けに、主要規制当局の役割・機能から業種別の参入フロー、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の活用可能性、リスクマネジメントの考え方まで、実務に即した情報を整理します。許認可の詳細については専門の現地法律事務所や行政書士との連携が推奨されますが、全体像を把握する一助となる内容です。

こんな方にオススメ

  • エジプト・北アフリカ市場への輸出・進出を検討しているメーカーの海外事業部担当者
  • EDAやGAFIへの許認可フローを概観したい経営者・事業開発担当者
  • AfCFTAを活用したアフリカ展開の足がかりとしてエジプトを検討しているコンサルタント・士業の方

この記事を読むと…

  • エジプトの市場規模と外資参入の基本的な枠組みが把握できる
  • EDA・GAFIそれぞれの役割と主な手続きの流れが分かる
  • 業種別の参入フローとリスクマネジメントの考え方を整理できる

エジプト市場の規模と北アフリカ拠点としての戦略的位置づけ

エジプト市場の規模と北アフリカ拠点としての戦略的位置づけ エジプト市場 の規模… エジプト市場 人口1億超 GDP規模 消費構造 中東ゲートウ ェイ サハラ以南ア ク…

目次

エジプトは北アフリカ最大の人口国家であり、その市場規模は日本企業が中東・アフリカ展開を検討する際の選択肢の一つとなっています。単なる輸出先ではなく、サハラ以南アフリカや中東へのゲートウェイとして捉える視点が、進出戦略の骨格をつくる上で重要です。

人口・GDP・消費構造の基本データ

エジプトの人口は2026年時点で1億人を超える水準とされており(エジプト中央動員統計局 CAPMAS 等の推計による)、アフリカ大陸ではナイジェリアと並ぶ大規模消費国です。中間層の拡大が続いており、食品・日用品・化粧品・医薬品・電子機器などの需要が増加傾向にあるとされています。GDPについては国際通貨基金(IMF)の公表データの参照が推奨されますが、近年のエジプト経済はインフレ圧力と通貨安の影響を受けながらも、民間消費の一定の底堅さが観察されています。

日本からの輸出品目としては、自動車・機械・電子部品が従来から上位に位置しており、近年は食品・化粧品・サプリメントへの関心も高まっています。ハラル認証対応商品については中東・アフリカ市場全体での需要が底堅く、エジプト市場においても宗教的・文化的な食品規範への対応が参入の前提となります。

スエズ運河とロジスティクス上の優位性

エジプトが北アフリカ進出拠点として注目される理由の一つは、スエズ運河を有するロジスティクス上の地政学的優位性です。欧州とアジアを結ぶ海上輸送ルートの結節点であり、エジプト国内に生産・集積拠点を設けることで、欧州・中東・東アフリカへの二次展開が可能になります。フリーゾーン(経済特区)を活用した製造・加工・再輸出モデルを検討する企業にとって、地理的優位性は重要な要素です。

若年人口構造と中長期的な市場ポテンシャル

エジプトの人口構造は若年層が厚く、中長期的な消費拡大ポテンシャルを持つとされています。一方で、若年失業率の高さや都市部と地方の経済格差は社会的課題として認識されており、ビジネス環境の安定性を評価する際にはこうした社会的背景も考慮対象となります。進出後の販売戦略を描く際には、カイロ・アレクサンドリアといった主要都市部から展開し、段階的に地方都市へ広げるアプローチが、リスクを管理しながら市場浸透を図る上で現実的とされる場合があります。

主要規制当局の役割:EDAとGAFIを中心に

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エジプトへの外資参入において、まず理解しておくべきは規制当局の体系です。業種によって主管官庁が異なりますが、医薬品・医療機器・化粧品分野ではEDA(Egyptian Drug Authority/エジプト医薬品局)、外資投資登録・フリーゾーン活用ではGAFI(General Authority for Investment and Free Zones/一般投資・フリーゾーン庁)が中心的な役割を担います。

EDA(エジプト医薬品局)の機能と申請フローの概要

EDAは、エジプト国内で流通する医薬品・医療機器・化粧品・サプリメント等の登録・承認・品質管理を所管する規制当局です。外国製品をエジプト市場で販売するには、EDAへの登録・認証取得が原則として必要とされています。申請には現地代理人(ローカルエージェント)の設定が求められる場合が多く、代理人選定は参入初期の重要な実務課題の一つです。

申請に必要な書類の構成は製品カテゴリーによって異なりますが、一般的には製品の成分・処方情報、GMP(製造管理・品質管理基準)証明、原産国での販売許可証、毒性試験・安全性データなどが求められるとされています。審査期間については製品分類や申請状況によって幅があり、数カ月から数年に及ぶケースも報告されています。実際の申請スケジュールは現地の専門家・代理人と確認することが推奨されます。

化粧品カテゴリーについては医薬品と比べて手続きが簡素化される場合がある一方、成分規制や表示要件については個別確認が必要です。ハラル成分への対応についても、エジプト市場では一定の市場要請があるため、原材料の確認と必要に応じた認証取得の検討が実務上有益とされています。

GAFI(一般投資・フリーゾーン庁)による外資登録の仕組み

GAFIは、エジプトへの外国直接投資(FDI)を管轄する政府機関であり、外資企業の法人設立・投資登録・フリーゾーン入居手続きを一元的に取り扱う窓口機能を持ちます。2017年に施行された投資法(Law No. 72/2017)のもとで整備された「ワンストップショップ」制度により、複数の行政手続きをGAFI経由でまとめて処理できる仕組みが導入されたとされています。

外資企業がエジプトに拠点を設ける際の主な形態としては、現地法人(有限責任会社/株式会社)の設立、支店・駐在員事務所の設置、フリーゾーン内での事業展開などが挙げられます。フリーゾーンは関税優遇・法人税率優遇などのインセンティブが付与されるエリアであり、再輸出を前提とした製造・加工業には特に利用しやすい制度設計とされています。具体的なインセンティブ内容・条件については、GAFIの公式情報や現地専門家への確認が不可欠です。

その他の関連当局と業種別の主管機関

食品・農産物分野では農業省・農産物輸出評議会(HEIA)が関与し、輸入検疫・ラベリング要件への対応が求められます。インフラ・建設・エネルギー分野ではそれぞれの所管省庁との調整が必要であり、規制当局の体系は業種によって複雑です。エジプト市場への参入を検討する際は、自社の製品・サービスカテゴリーに応じた主管機関を早期に特定し、必要な許認可リストを整理することが、市場参入への第一歩となります。

規制当局 主な所管範囲 主なポイント
EDA(エジプト医薬品局) 医薬品・医療機器・化粧品・サプリメントの登録・承認 現地代理人の設定が原則必要。審査期間は製品分類により異なる
GAFI(一般投資・フリーゾーン庁) 外資法人設立・投資登録・フリーゾーン入居 ワンストップショップ制度あり。フリーゾーンは関税・税率優遇
HEIA(農産物輸出評議会) 食品・農産物の輸入検疫・ラベリング管理 ハラル表示・成分表記への対応も確認対象
各業種省庁 インフラ・エネルギー・通信・建設等の個別規制 業種ごとに所管省庁が異なる。事前の主管省庁特定が重要

AfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)活用の可能性

AfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)活用の可能性 AfCFTA (アフ… AfCFTA 活用 54カ国市場 関税優遇 流通網整備 競争優位性 中長期展開

エジプトはAfCFTA(African Continental Free Trade Area)の原加盟国であり、アフリカ54カ国・市場へのアクセスを念頭においた進出設計が可能です。この枠組みの活用は、エジプトを「アフリカ展開の起点」として位置づける日本企業にとって、中長期的な戦略設計の重要な論点です。

AfCFTAが日本企業にとって意味すること

AfCFTAは2021年から段階的な運用が始まっており、加盟国間の関税削減・非関税障壁の緩和を目標とした枠組みです。ただし実際の関税撤廃スケジュールや対象品目は国別・品目別の交渉が継続中であり、「エジプトに拠点を置けばアフリカ54カ国に即座に無関税でアクセスできる」という単純な理解は実態と乖離する可能性があります。「将来的なアクセス改善が期待される枠組み」として戦略設計に組み込み、現状の関税・通関条件は対象国ごとに個別確認することが実務上の現実的な対応です。

エジプトをアフリカ展開の起点とするビジネスモデル

実際の活用モデルとして検討されるのは、エジプトのフリーゾーンで日本製品の最終加工・パッケージングを行い、AfCFTA枠組みを活用しながら周辺アフリカ諸国へ再輸出するアプローチです。この設計では、製造拠点をエジプト国内に置くことで現地雇用創出・投資インセンティブの適用が期待できるとともに、エジプト国内市場への販売と周辺国への輸出を組み合わせた収益モデルが描けます。ただし、このモデルが機能するかは製品特性・品目の関税分類・フリーゾーン条件・各国の輸入規制と組み合わせて検討する必要があります。

AfCFTA活用における現実的な注意点

AfCFTAはまだ制度の整備途上にある部分も多く、特定品目での適用除外や原産地規則の運用実態については、各国税関・専門機関への確認が欠かせません。また、アフリカ各国には独自の輸入規制・認証要件が残存している場合が多く、AfCFTAを活用したビジネス展開を実現するには、エジプトだけでなく進出先の各国規制との複合的な対応が求められます。全体像の把握には、現地ビジネスに知見を持つ弁護士・コンサルタントとの連携が現実的です。

⚠️ AfCFTA活用で注意したいポイント
  • 関税削減スケジュールは品目・国別交渉が継続中。「即時無関税」と誤解しないこと
  • 原産地規則の要件を満たすかどうかは製品・製造工程ごとに確認が必要
  • アフリカ各国には独自の輸入規制・認証要件が残存している場合が多い
  • 政情・通関の運用実態はデータだけでは把握困難。現地ネットワークの活用が重要

業種別参入フロー:製造業・食品・化粧品・医療を中心に

業種別参入フロー:製造業・食品・化粧品・医療を中心に 1 法人設立 2 許認可申請 3 規制登録 4 市場参入 5 販売開始

エジプト市場への参入フローは業種によって大きく異なります。特に食品・化粧品・医療関連製品については規制当局への登録が参入の前提条件となるため、法人設立・市場参入の準備と並行して許認可取得のタイムラインを現実的に設計することが重要です。

製造業・機械・自動車関連の参入フロー

製造業・機械・自動車関連分野でエジプト進出を検討する場合、GAFIを通じた法人設立または代理店契約・現地パートナーとの連携が主要な選択肢となります。エジプトでは主要自動車メーカーの現地組み立て工場も複数存在しており、部品・素材メーカーにとってはサプライヤーとしての参入機会もあるとされています。フリーゾーンを活用した製造拠点設置は、関税・税制上のメリットが期待できる一方で、労働規制・インフラ整備状況・現地調達の可能性を総合的に評価した上での意思決定が求められます。

  1. 1
    市場調査・現地パートナー探索

    現地代理店・JV(ジョイントベンチャー)候補の特定。商工会議所・JETRO・大使館経由の情報収集が有効とされています。

  2. 2
    GAFIへの投資登録・法人設立

    投資形態の選択(現地法人・支店・フリーゾーン)。ワンストップショップを通じた手続き。

  3. 3
    業種別許認可・輸入登録の取得

    製品分類に応じた所管省庁での登録。輸入品目ごとの通関・検疫要件の確認。

  4. 4
    販売チャネル構築・現地展開

    代理店・流通パートナーとの契約。カイロ・アレクサンドリアを起点とした販売網の整備。

食品・サプリメント・化粧品分野の許認可フロー

食品・サプリメント・化粧品カテゴリーでエジプト市場に参入する際は、EDAへの製品登録が販売の前提となります。登録申請には現地代理人を通じての手続きが一般的であり、代理人との信頼関係構築が申請の円滑な進行に大きく影響するとされています。

化粧品については成分ごとの規制リストへの適合確認、食品・サプリメントについては原産国の販売許可証・品質証明書・成分データの提出が求められるケースが多いとされています。ハラル認証については義務ではない場合もありますが、エジプト市場での販売においては消費者の信頼獲得や流通チャネルへのアクセス面でメリットをもたらすことがあるため、対応を検討する企業が増えています。

POINT

化粧品・食品のEDA登録には現地代理人の設定が実務上不可欠とされています。代理人の実績・信頼性の見極めが、申請の速度と品質を大きく左右するとされています。

医療機器・ヘルスケア分野の参入における留意点

医療機器については、EDAが分類・審査を行いますが、製品クラスによって申請ルートや要求資料が異なります。日本国内でのPMDA(医薬品・医療機器等審査機構)認証との関係性も確認が必要であり、各国の規制当局間の相互承認・参照制度の活用可能性は現状では限定的な部分があるとされています。エジプト市場での医療機器販売を目指す場合、専門の現地コンサルタントとの連携のもとで申請計画を策定することが実務上の現実解とされる場合が多いです。

治安・為替リスクのマネジメント

治安・為替リスクのマネジメント 治安リスク 地域差異 vs 為替リスク 長期継続性 経済変動 実務対応

エジプトへの進出を検討する際、治安リスクと為替・経済リスクは切り離せないテーマです。市場ポテンシャルが高い一方で、これらのリスクを現実的に把握し、ビジネス設計に組み込んでおくことが、長期的な事業継続性を確保する上で重要になります。

治安環境の現状と実務上のリスク対応

エジプトの治安環境は地域・時期によって異なります。カイロやアレクサンドリアなどの主要都市では一般的なビジネス活動が行われていますが、シナイ半島など特定地域については外務省の海外安全情報を随時確認し、危険情報・感染症情報に基づいた判断が求められます。駐在員の安全管理・緊急時対応プランの整備、現地パートナー企業との緊密な情報共有は、進出前から準備しておくべき実務項目です。

日本企業として現地に拠点を設ける際は、在エジプト日本国大使館や在カイロ日本商工会などのネットワークを活用することで、現地の最新情報にアクセスしやすくなります。こうしたリソースを平時から活用しておくことが、有事の際の対応速度に直結するとされています。

為替リスクとエジプトポンドの変動性

エジプトポンド(EGP)は近年大幅な下落と変動を経験しており、為替リスクは進出コスト・収益計画の大きな変動要因となっています。円建て・ドル建ての取引設計や、売上金の送金・外貨管理についても、現地の外為規制とともに事前確認が不可欠です。IMFとの融資プログラムのもとで通貨安定化への取り組みが続いていますが、短期的な変動リスクは依然として存在するとされています。

為替ヘッジの手段についても、エジプト市場では日本国内ほど選択肢が多くない場合があるため、取引通貨の設定・価格転嫁の仕組み・現地コスト構造の管理という観点からリスク軽減策を検討することが一般的に有効とされています。

政治・規制変更リスクへの備え

エジプトでは過去に外資規制・輸入規制の変更が比較的短期間に実施されたケースがあるとされており、規制環境の変化に対するモニタリング体制の整備が重要です。現地弁護士・コンサルタントとの継続的な関係維持、業界団体・商工会議所への参加を通じた情報収集チャネルの確保が、規制変更への早期対応を可能にします。また、JV(ジョイントベンチャー)形態での参入においては、契約書における政策変更リスクの分担条項・出口戦略の整備も検討事項に加えることが推奨されます。

エジプト進出のメリットエジプト進出のリスク・課題
  • 人口1億人超・北アフリカ最大の消費市場へのアクセス
  • AfCFTAを通じたアフリカ域内展開の起点として活用可能
  • スエズ運河・地中海を活用したロジスティクス上の優位性
  • フリーゾーン活用による関税・税制優遇の可能性
  • 若年人口構造による中長期的な消費成長ポテンシャル
  • EDA・GAFIなど複数規制当局への許認可手続きが複雑
  • エジプトポンドの変動性が高く為替リスクが大きい
  • 特定地域の治安リスク・政情変動への継続的モニタリングが必要
  • 外資規制・輸入規制の変更リスクが存在

エジプト進出を成功に近づけるためのパートナー選び

エジプト市場への参入において、現地パートナーの質は成否を大きく左右する要素です。規制当局への申請代行から販売チャネルの開拓、日常的な情報収集まで、現地パートナーの機能は多岐にわたります。単なる代理店契約ではなく、長期的なビジネスパートナーとしての関係構築を意識した選定プロセスが、進出後の課題を減らすとされています。

現地代理人・パートナー選定の基準

EDAへの製品登録申請における現地代理人、GAFIを通じた法人設立をサポートする現地法律事務所、販売チャネルを担う流通パートナーは、それぞれ異なる機能を持ちます。選定にあたっては、過去の日本企業対応実績・業界特化の知見・コミュニケーションの透明性を評価軸として設けることが実務上推奨される場合が多いです。

パートナー候補のデューデリジェンスとして、財務状況の確認・既存クライアントへの参照確認・規制当局との関係性の把握などが一般的なプロセスとして挙げられます。エジプトでは人的ネットワークが商慣行において重要な役割を果たすとされており、現地の業界コミュニティに精通したパートナーへのアクセスが参入速度に直結することがあります。

JV(ジョイントベンチャー)形態での参入戦略

エジプトへの参入においては、完全子会社設立よりも現地企業とのJV(ジョイントベンチャー)形態を選択する日本企業も少なくありません。JVでは現地パートナーの市場知見・販売網・規制当局との関係を活用しながら、自社の製品・技術・ブランド力を組み合わせるという設計が可能です。一方で、意思決定プロセスの複雑化・利益配分・出口戦略など、JV運営特有の論点を契約段階で明確化しておくことが、後々のトラブル防止に直結します。

国際ビジネス連結機構では、アジア・中東地域でのJV構築支援や現地パートナーとのネットワーク構築に知見を持つ会員企業とのマッチングを行っており、エジプト・北アフリカ進出を検討する企業の情報収集の場として活用できる場合があります。

上田直之(理事)

エジプト市場でも、中東・アジアの進出案件と同様に「実際の」現地パートナーの質がすべてを決めると言っても過言ではありません。書類上の要件をクリアすることと、実際にビジネスが動くことの間には大きな距離があります。現地を知る人間との接点を持つことが、最初の一歩として最も有効だというのが私の実感です。

支援機関・情報収集チャネルの活用

エジプト進出の情報収集において活用できる公的機関・ネットワークとしては、JETROカイロ事務所、在エジプト日本国大使館、在カイロ日本商工会などが挙げられます。これらの機関では現地の市場情報・規制情報・ビジネスマッチングのサポートを行っており、進出初期の情報収集段階から積極的に活用することが推奨されます。また、エジプト商工会議所(Egyptian Chambers of Commerce)を通じた現地企業へのアクセスも、パートナー探索の実務的なチャネルの一つとされています。

まとめ:エジプト進出の全体像と次のステップ

エジプトは人口1億人超・北アフリカ最大の消費市場として、アフリカ・中東展開を視野に入れる日本企業にとって戦略的に重要な市場です。一方で、EDA・GAFIを中心とした複数の規制当局への対応・為替リスク・現地パートナーの選定という実務課題を着実にクリアしていくことが、参入と持続的なビジネス展開の鍵となります。

本記事で整理した内容を踏まえ、エジプト進出検討の次のステップとして以下の観点から準備を進めることが推奨されます。

  • 自社製品・サービスに対応する主管規制当局(EDA・GAFIほか)を特定する
  • EDA登録・GAFI投資登録の概算タイムラインと必要書類を現地専門家に確認する
  • 現地代理人・パートナー候補のリストアップとデューデリジェンスを開始する
  • 為替リスク・政情変動モニタリングの仕組みを社内で整備する
  • AfCFTAを活用したアフリカ二次展開の可能性を中長期計画に組み込む

エジプト市場への参入は、適切な準備と現地ネットワークがあれば大きなビジネス機会につながる可能性があります。国際ビジネス連結機構では、アジア・中東・北アフリカ地域でのビジネス展開を検討する企業向けの情報提供・会員間マッチングを行っており、海外進出の情報収集段階からの相談に対応しています。

国際ビジネス連結機構への相談が向いている方
  • エジプト・北アフリカ進出の情報収集段階にある海外事業部担当者・経営者
  • 現地パートナー探索や規制対応の全体像を整理したいコンサルタント・士業の方
  • アジア・中東・アフリカへの多面的な展開を中長期で検討している企業
国際ビジネス連結機構の主な活動実績(参考)
会員社数150社超(POLA ORBIS・WEGOなど大手含む多業種)。台湾・シンガポール・ベトナム・香港など4カ国での海外展開支援GMV累計4億円。マレーシア商談確約ツアーでは11社参加・商談66回実施。詳細は公式サイトよりご確認ください。
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よくある質問

エジプト市場への参入で、まず最初に何から準備すればよいですか?

自社の製品・サービスカテゴリーに応じた主管規制当局(医薬品・化粧品・医療機器であればEDA、外資投資登録であればGAFI)の特定と、現地代理人候補のリストアップから始めることが実務上の出発点とされています。並行して、JETROカイロ事務所や在エジプト日本国大使館を通じた情報収集も有効です。

EDA(エジプト医薬品局)への製品登録にはどれくらいの期間が必要ですか?

製品登録の審査期間は、製品分類・申請書類の完成度・申請時の混雑状況などによって大きく異なります。数カ月で完了するケースもある一方、1年以上かかるケースも報告されています。具体的なスケジュールは現地代理人や専門の法律事務所に確認することが推奨されます。

エジプト進出においてハラル認証は必須ですか?

法的に必須とされているわけではない製品カテゴリーも多いですが、エジプトは国民の大多数がムスリムであるため、食品・化粧品・サプリメントなどの分野では消費者の信頼獲得・流通チャネルへのアクセスの観点からハラル認証対応が有利に働く場合があります。対応の要否は製品特性と販売戦略に応じて個別に判断することが多いです。

AfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)を活用した展開はすぐに実現可能ですか?

AfCFTAは段階的な運用が始まっていますが、品目・国別の関税削減交渉は継続中であり、即時に全品目・全加盟国への無関税アクセスが実現するわけではありません。エジプンを起点としたアフリカ展開の設計においては、中長期的な枠組みとして捉えつつ、現時点の各国個別の関税・通関条件を並行して確認することが現実的なアプローチです。

エジプトの為替リスクへの対策として、どのような方法が考えられますか?

エジプトポンドは変動幅が大きい通貨です。取引通貨を米ドル建てに設定する・現地でのコスト構造を見直す・価格設定に一定の為替変動幅を織り込むといった手法が一般的なリスク軽減策として挙げられます。金融機関や現地の財務アドバイザーとの相談を通じて、自社のキャッシュフロー構造に合った対策を検討することが推奨されます。

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※ 施設情報はGoogle Maps提供データです。

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上田 直之
理事上田 直之

株式会社アーツ、東証スタンダード上場企業PAとのJV、ベトナム進出支援PAエンタープライズ代表取締役社長、シンガポール現地法人BeautyJapan代表取締役社長を兼務。アジア最大級の美容博覧会の日本事務局を運営。

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