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会員インタビュー INTERVIEW

「日本で実績があるからといって、海外で売れるかというと、多分そうではない」台湾で年商1億まで伸ばし、そこから縮小したサプリメーカーが選び直した順番

ヘルスケア

2026.10.28

成長期サポートサプリ「セノビル」を手元に置いて話す株式会社エメトレの代表

「日本で実績があるからといって、海外で売れるかというと、多分そうではないと思うんですよね」

子どもの成長期をサポートするサプリメント「セノビル」を展開する株式会社エメトレ。2014年の創業から今期で13期目に入ります。2026年2月にはプロ野球・北海道日本ハムファイターズの清宮幸太郎選手がアンバサダーに就任し、国内では卸経由での販売も広がり始めています。

同社は、かつて台湾で年商1億円規模まで伸ばし、そして縮小させた経験を持っています。一度伸ばして、一度縮めた。その経験を経て選び直した順番について、社長と海外担当の方にうかがいました。

子ども好きの社長と、身長がコンプレックスだった副社長

まず、会社と商品について教えてください。

2014年にエメトレという会社を立ち上げまして、今期で13期目になるんですけれども、1年目にセノビルという、子どもの成長期をサポートするサプリメントの事業を始めました。当初は、僕に子どもが生まれて、まだ3歳ぐらいだった時なんですよ。今の副社長の岩中というのがいまして、彼はその当時、製薬会社のMRとして薬をお医者さんに売る営業をやっていたんですよね。

薬ではなく、サプリメントを選ばれた理由は何ですか。

彼は薬に対して、病気を治すというよりかは、悪い状態を維持する、それ以上悪くならないようにするというイメージしかなくて、あまりいい印象がなかったらしいんですよね。サプリメントは飲み続けることによって自分の体が健康状態になっていくということで、すごく興味があって。あと、彼は身長がちょっと低めなんですよ。子どもの時に身長が低いことがすごくコンプレックスで、今の子どもたちには自分と同じ悩みを抱えてほしくないというようなことで。

それが商品開発につながったと。

彼はそういった成分に結構詳しかったので、成長ホルモンにアプローチするアルギニンの成分がそういった効果を持っているということで、それを入れて、子どもの成長をサポートするサプリメントを作ったということですね。僕は子どもが好きで、彼はサプリメントが好きだったので、じゃあ一緒にやっていこうということで、1年目からやっていきました。

「薬っぽいパッケージ」から、スポーツブランドへ

ブランディングを変えられた時期があるそうですね。

当時はスポーツ寄りというよりかは、ちょっと薬っぽいパッケージだったんですよ。知っている人が知っている、ちょっと身長が伸びるみたいな感じだったんですけど、アンケートを取っていくと、大体中学生ぐらいのスポーツをやっている子が多かったんですよ。なので、コンプレックス商品みたいな形よりは、恥ずかしくて人に言えないまま飲んでいるよりも、ちょっと人に自慢できるようなブランディングにしたくて、スポーツ寄りにしたんです。

株式会社エメトレのオフィスに掲げられたSENOBIRUのロゴ
オフィスに掲げられたSENOBIRUのロゴ。薬らしいパッケージから、スポーツブランドへと見せ方を切り替えてきた。

アスリートの起用も、その流れですか。

パッケージのブランディングを変えた時に、バレーボールの木村沙織さんを最初のアンバサダーに起用させてもらって、そこから大体1年とか2年ぐらいのペースで変えてきましたね。その後はメジャーリーガーの方だったり、Bリーグの選手だったり。女性向けには、100mハードルの選手と共同開発した商品もあります。アスリートの方は、練習を追い込みすぎてコンディションを崩すという悩みが多かったんですよね。

国内の販売チャネルはいかがですか。

メインはECで、自社であったり、あとAmazon、楽天が国内での主力として。今年から卸の方も始めまして、大きな卸会社さんと取引ができるようになって、ドン・キホーテさんにも少しずつ卸せるような形になってきていますね。

台湾で月1,000万円まで伸び、そして縮んだ

海外展開は、いつ頃からでしょうか。

2016年ぐらいに少しライバルが増えてきて、国内だけじゃなくて海外もやっていこうということで。当時、2017年、18年ぐらいは越境ECが台湾で結構流行っていた時期があったんですよ。それに乗っかって。まだ薬機法もそれほど厳しくない時だったので、順調に売上を伸ばすことができて。結構いい時で、月に1,000万円ぐらいあったと思うんです。年間1億ぐらいまでは行きました。

その後、状況が変わったのですね。

そこから審査に落ちたりしていって、なかなか商品の訴求をすることがうまくできなくなって。広告費が上がって、少しずつシュリンクしているという形ですね。

それでも海外に向かうのは、なぜでしょうか。

会社の目的の部分でいくと、子どもたちの元気と笑顔を増やすということが、一番したいことなんですよ。その子どもたちの数が、日本は少子化で減ってしまっている状況じゃないですか。これからを考えた時に、国内だけを見ていってしまってはやっぱり減少してしまうし、この笑顔を増やすという人数も減ってしまう。アジアの子どもたちも笑顔にしたいなと。アジア圏は欧米に比べたら体格が小さいので、日本人と同じ悩みを抱えている人も多いんじゃないのかなというところで。

現在の展開国はどちらですか。

今は台湾と香港とシンガポール、Shopeeとかも入れるとマレーシアとか。あと韓国も今、力を入れているところですね。ベトナムは現地のエージェントさんを通じて店舗さんに商品紹介まで進んだんですけど、輸出許可のところで、ベトナムのトップが変わったりして、その一声で変わってしまう。時間とお金をかけても人ひとりで変わってしまうと損失が大きいので、今は一旦やめて、行きやすいところにシフトしています。

月3万円という判断基準

当機構への入会の決め手は何でしたか。

決め手は、月3万円でしたよね。年間で言ったら36万円なんですけど、それ以上のコストパフォーマンスが見込めるんじゃないのかなというところが、まず一つ。あとはライブコマースに興味があったというのがあって。ライバーさんにどれぐらい配信してもらって、どれぐらい需要があるのかという部分も知りたかった。やってみないと分からない部分があったので。

実際にやってみて、いかがでしたか。

需要はあるのかなという感じはしてます。間違いなく需要はあると思うんですよ。ただ、それをどういうふうに伝えるか、伝わるかという部分で、ホームページ上では伝えたくても伝えられない、遮断されるようなところがあると思うんですよね。ライバーさんであれば、それをうまく伝えることができて、見ている側のユーザーもそれを感じて注文するという流れになる。やっぱり需要はすごくあるなと。

その実績を、次にどう活かす想定でしょうか。

そこでの実績があることによって、台湾に行った時に、向こうの企業さんにも需要があるという部分で、非常にプレゼンテーションがしやすいのかなと思ってます。実績があるからこそ需要があって、台湾でもこの商品は間違いなく必要とされているというのが企業さんに伝われば、仕入れたいなという風になると思うので。ライバーでの実績作りがまず第1ステップ。第2ステップでそれをうまく生かして販路につなげていくのが、今後の課題かなと思っていますね。

台湾用の商品を、作らなければならなかった

日本の商品を、そのまま輸出できるものなのでしょうか。

日本で販売していた商品を、成分の問題でそのまま輸出できなかったんですよ。なので台湾用で今作っているものがあります。もちろんそれは国の問題ではあるんですけど、台湾のユーザー、本当に使う側の人たちがどんなものを求めているのかという部分は、ちゃんとヒアリングしていく必要があるかなと思いますね。それに沿って、台湾の人たちが欲しいものをまた作っていければいいのかなと。

複数のフレーバーが並ぶセノビルのパッケージ
セノビルのフレーバー展開。台湾向けには、成分を見直した別の商品を用意することになった。

国内で機能したマーケティングは、海外でも通用しそうですか。

それも一つはありますね。台湾ではまず認知がないと思うんですよ。認知のない商品なので、何かしら売れるための武器はあった方がいいかなとは思ってます。台湾の選手で日本にいる方もいますし、そういった取り組みができるのであれば考えています。あとは、Bリーグのアカデミーのような子ども世代の支援もしているので、海外でもそういったチームをサポートしていくのは、より子どもたちの笑顔を増やすことにつながるのでいいかなと。

「早く、安く」——海外の商談スピード

海外のバイヤーとの商談で、日本とのギャップを感じることはありますか。

(海外担当)イメージとして2つありまして。まだ商品がすごく理解されていない状況で、独占代理店にできるのか、もっと安くならないか。この2つの条件が交渉の中心になる。実際にこの商品が長く販売できるのかとか、どういう商品なのかというより、慎重に見るより、とにかく早く、安く進めたい。そういう行動力で。日本だと、この商品が市場に合うかどうかとか、どういう体制で販売できるのかとか、長く展開できるのかとか、そういう風に考えるんですけど。

連絡手段にも違いがありますか。

(海外担当)日本だと最初はメールのやり取りとかですけど、最近一番驚くのは、こちらが「じゃあ名刺交換しましょう」と言うと、海外の方は「いや、私は名刺を持っていない」と。携帯で、と。先にLINEとかWhatsAppで、弊社の詳細とか私のプロフィールを送ります、じゃあ次はあなたの商品とどういう会社かをちょうだい、と。このスピード感と、個人情報の交換の仕方には、すごく驚きましたね。日本はいい意味でも悪い意味でも慎重で、私もそれに慣れていたので。

どちらが正しいという話ではありません。ただ、スピード感の前提が違う相手と交渉していることを理解していなければ、慎重さが誠実さとしてではなく、単なる遅さとして受け取られてしまうこともあります。

棚に置くだけでは、認知は上がらない

現地のパートナーには、何を求めていますか。

物流がメインの会社さんだと、マーケティングはやりませんとか。自分たちが求めている会社さんに、今までまだ出会えていない部分があるので。現地でしっかり流通させてくれて、物流もやってくれて、商品のことを勉強していただきつつプロモーションもしっかり打つという、本当に総合的なところかなと思うので。店舗を持っていなかったとしても、ネットで集客できて販売が強いところがいいですよね。

今後の目標を教えてください。

まずは現地流通の1社目と契約すること。そこから台湾、香港、中国、韓国、シンガポールに広めていって、大体1国1億ぐらい乗れると、4億とか。それだけで海外はやっていけるかなと思うので。まずそこ、1つ目の会社さんとどれだけつながれるかを、スピードを持ってやりたいところですね。

信用できるパートナーを見つけることが、一番難しかった

これから海外を目指す企業へ、メッセージをお願いします。

今まで苦労した部分で言うと、海外の信用できるパートナーを見つけるのがすごく難しかったんですよね。時間もかかりましたし、現地法人があるわけでもないので、本当に信用できる会社さんを探すとなると、なかなか見つからなくて。日本企業のどこかの社長さんに紹介してもらったりするんですけど、うまくいかないんですよね、ほとんどが。

セノビル・キッズセノビル・AthReadyが並ぶ株式会社エメトレのオフィス
オフィスに並ぶ製品群。国内はEC中心で、今年から卸での取引も始まった。

その経験を踏まえて、どうすべきだと思われますか。

現地法人があるような会社さんと、すでに実績のある会社さんと組めることによって、僕らが今まで苦労した部分が一気に省けるのかなと思いますので。そういった面では、勇気を持ってチャレンジするというところまで行かずして、普通にチャレンジできるんじゃないかなと思います。我々は本当にもう、8割9割は失敗していると思ってやってきたんです。ほとんどうまくいかないだろうと思っていても、でもやらなきゃいけない、チャレンジをしなきゃいけないというのがあったのでやりましたけど、その成功率のパーセンテージが少しでも高くなると思うので。

編集後記

台湾で年商1億円まで伸ばし、制度と広告費の変化で縮小した。この経験を隠さずに語ってもらえたことが、今回の取材の価値だったと思います。

成功事例だけを並べれば、海外展開は簡単に見えます。しかし実際には、一度立ち上がった売上が外部要因で失われることがある。だからこそ、越境EC一本ではなく現地流通を並行させ、ライブコマースで実績を作ってから商談に臨むという、段階を踏んだ設計になっているのだと理解できました。「勇気を持ってチャレンジするというところまで行かずして、普通にチャレンジできる」という言葉が、10年以上続けてきた企業のいまの実感なのだと思います。

国際ビジネス連結機構は、海外進出に挑む日本企業が最初の一歩を踏み出す場をつくり、その先を伴走します。海外展開にご関心のある方は、募集中の機会をご覧ください。

インタビュー対象者

会社名 株式会社エメトレ

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国際ビジネス連結機構には、大手企業から中小メーカーまで150社を超える企業が参加しています。台湾・シンガポール・ベトナム・香港でのライブコマースは累計100回・GMV4億円、マレーシア商談確約ツアーでは参加11社で66件の商談を実施しました。
「何から始めればいいかわからない」という段階からご相談いただけます。

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