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タイに進出するには何が必要か?Thai FDA・BOI・DBDの役割と許認可取得の全手順

COLUMN

2026.8.9

タイへの現地法人設立や製品販売を検討している日本企業の担当者から、「Thai FDA・BOI・DBDという機関名は聞いたことがあるが、それぞれ何をする機関で、自社はどこに何を申請すればよいのかが分からない」という相談が寄せられることがあります。タイは東南アジアの中でも日系企業の進出実績が豊富な市場ですが、その分だけ許認可の制度設計が複雑であり、準備不足のまま進めると審査が長期化し、事業開始が数ヶ月単位で遅れるリスクがあります。

この記事では、タイ進出に際して関わる主要3機関(Thai FDA・BOI・DBD)の役割と管轄範囲を整理した上で、実際の手続きフローと費用感を具体的に解説します。全体像を把握したい方や、自社の商材はどの機関に届け出が必要か確認したいという情報収集段階の方にとって、次の一手を決める判断材料となる内容です。

こんな方にオススメ

  • タイへの製品輸出・現地販売を検討しているメーカーの海外事業部担当者
  • タイ現地法人の設立を視野に入れているが、手続きの全体像が見えていない経営者
  • 顧客のタイ進出をサポートするコンサルタント・行政書士・中小企業診断士

この記事を読むと…

  • Thai FDA・BOI・DBDそれぞれの役割と担当領域が一覧で理解できる
  • 業種・商材別に「どの機関に何を申請するか」の判断軸が身につく
  • 許認可取得のおおよその期間と費用感を把握し、スケジュールに組み込める

タイ進出の全体像——なぜ今タイが選ばれるのか

タイ進出の全体像——なぜ今タイが選ばれるのか タイ進出の全 体像—… タイ市場選択 の… 製造業基盤確 サプライチェ ー… ASEAN最 適地 許認可複雑性 想定外コスト

目次

タイ市場が日系企業から注目され続ける背景には、複数の構造的な要因があります。東南アジア主要国の中でも製造業基盤が確立されており、日系企業のサプライチェーンとの親和性が高い点は実務上の大きなメリットです。一方で、許認可の複雑さについては過小評価されがちであり、「ASEANの中では比較的やりやすい」という印象のまま進めると想定外の時間とコストが発生することがあります。

タイ市場の現状と日系企業の進出動向

タイのGDPは東南アジア第2位の規模を維持しており、外資系企業にとって製造拠点としての実績が豊富な市場です。JETROの調査によれば、在タイ日系企業数は長年にわたりASEAN域内で上位に位置しており、自動車・電機・食品・小売などの幅広い業種が展開しています。近年は、製造業拠点としての役割に加え、消費市場としての側面も注目されるようになっており、消費財・健康食品・化粧品・医療機器などを現地で販売することを目的とした進出も増加傾向にあります。

消費財の現地販売を目的とする場合、製造拠点型の進出とは異なる許認可の壁が生じます。特に食品・サプリメント・化粧品の分野ではThai FDAへの製品登録が販売の前提となり、この手続きを見落としたまま事業計画を策定すると、スケジュール全体が大幅にずれ込むリスクがあります。

許認可の複雑さを正確に把握することの重要性

タイの事業環境は「ビジネスのしやすさ」という観点では改善傾向にあるとされていますが、それは規制の数が少ないことを意味するわけではありません。外資規制・業種別ライセンス・製品別登録の3層構造が存在するため、会社を設立しただけでは事業を開始できないケースが多く見られます。特に消費財・医療機器・食品を扱う企業にとっては、DBD(会社登記)・BOI(投資優遇)・Thai FDA(製品登録)という3機関への対応が並行して発生することを前提に、スケジュールと予算を組む必要があります。

また、各機関の審査期間は申請内容や書類の完成度によって大きく変動するため、平均的な期間は参考値として扱い、余裕を持ったスケジュール設計が現実的です。

この記事で扱う主要3機関の位置づけ

本記事で取り上げるのは、タイへの事業進出において多くの日系企業が関わることになる以下の3機関です。Thai FDA(食品医薬品局)は食品・化粧品・医療機器・医薬品の製品登録と輸入許可を管轄し、BOI(タイ投資委員会)は外資系企業向けの投資優遇措置を所管、DBD(商業登記局)は会社設立登記と外資規制への対応窓口となります。3機関それぞれへの対応が必要かどうかは業種・商材・事業スキームによって異なりますが、全体像を先に把握しておくことで、自社に必要な手続きを過不足なく特定できます。

Thai FDA(タイ食品医薬品局)の役割と申請フロー

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Thai FDA(タイ食品医薬品局)の役割と申請フロー 1 Thai FDA申請開始 2 製品カテゴリー判定 3 申請種類決定 4 必要書類準備 5 審査実施

Thai FDAは、タイ国内で販売・流通させる食品・医薬品・化粧品・医療機器・栄養補助食品の安全性と品質を管理する政府機関です。日本企業が消費財をタイで販売しようとする際に最初に直面する許認可の壁がこのFDA申請であり、製品カテゴリーによって申請の種類・難易度・審査期間が大きく異なります。

Thai FDAの管轄カテゴリーと申請区分

Thai FDAの管轄は、日本のように食品・医薬品・化粧品が別々の機関に分かれているのではなく、一元的に同局が管理しています。製品カテゴリーごとに申請区分が異なり、それぞれ求められる書類・審査プロセスが変わります。主要なカテゴリーは以下のとおりです。

製品カテゴリー 申請区分 主な審査項目 目安期間
加工食品・飲料 食品ラベル申請(届出制・登録制) 成分・栄養表示・ラベル表記 1〜3ヶ月
栄養補助食品(サプリメント) 健康食品登録(NUT区分) 安全性・有効成分・含有量 3〜6ヶ月
化粧品 化粧品届出(通知制) 成分リスト・製造国証明 1〜2ヶ月
医療機器 クラス別登録(Class 1〜3) 技術文書・臨床データ(高クラス) 3〜12ヶ月以上
医薬品 医薬品登録(Drug License) 臨床試験データ・GMP証明 1〜3年

化粧品については、タイはASEAN化粧品指令(ACD)に準拠した届出制を採用しており、事前承認ではなく届出(Notification)で販売が可能な点が特徴です。医療機器と医薬品については事前の製品登録が義務付けられており、審査期間も大幅に長くなります。サプリメント(健康食品)は、日本の機能性表示食品に近い区分が存在せず、NUT(栄養食品)または一般食品として申請することになるため、日本での訴求表現をそのまま使えないケースも多く見られます。

Thai FDA申請に必要な主要書類

申請に必要な書類は製品カテゴリーによって異なりますが、多くのケースで共通して求められる書類があります。特に輸入品の場合は日本側での書類準備が申請の律速となることが多く、事前に確認しておくことで後の混乱を避けられます。

  • 製品の成分リスト(INCIまたはタイ語表記)
  • 製造国における販売証明書(Certificate of Free Sale)
  • GMP(適正製造規範)証明書
  • 製品の安全性試験データ(カテゴリーによって要否が異なる)
  • ラベル案(タイ語表記が必須)
  • 輸入業者・現地代理人のライセンス

CAUTION

Thai FDA申請は、タイ国内に登録された法人(現地代理人または自社現地法人)が行う必要があります。日本の本社が直接申請することはできないため、現地パートナーの確保または現地法人設立がFDA申請の前提条件となります。

Thai FDA申請のよくある落とし穴

実務で頻繁に見られる問題の一つが、ラベル表記の不備です。タイ語による成分表示・原産国表示・製造者情報などの記載要件が細かく定められており、日本語または英語のラベルをそのまま持ち込もうとすると差し戻しになります。

また、「食品」として申請した製品に健康効果を謳うコピーが含まれていると、医薬品と見なされて別途の登録が求められるケースがあります。日本市場向けの製品説明・パッケージデザインをタイ向けに修正する作業も、スケジュール上の重要な工程として計画に含めておく必要があります。

BOI(タイ投資委員会)の優遇措置と申請の実際

BOI(タイ投資委員会)の優遇措置と申請の実際 法人税免除 1位 輸入関税免除 2位 外国人ビザ優遇 3位 コスト圧縮効果 4位 適用業種 5位

BOI(Board of Investment)はタイ政府の投資促進機関であり、外資系企業を含む投資家に対して法人税免除・輸入関税免除・外国人就労ビザの優遇などの恩典を提供しています。すべての企業がBOI申請をするわけではありませんが、製造業・特定のサービス業・研究開発拠点などを設置する場合には、BOI認定を受けることで事業コストを大幅に圧縮できる可能性があります。

BOI認定の主な優遇内容

BOI認定を受けた企業が享受できる主な優遇措置は、税制優遇と非税制優遇の2種類に大別されます。税制優遇の代表的なものは法人所得税の免除(期間は業種・投資地域によって3〜8年またはそれ以上)と機械・原材料の輸入関税免除です。非税制優遇としては、外国人専門家・技術者の就労許可(Work Permit)取得の円滑化や、外資比率制限の緩和(後述の外国人事業法との関係)などが挙げられます。

特に外資比率の観点では、タイの外国人事業法(FBA)により多くのサービス業種で外資49%以下の制限がかかりますが、BOI認定を取得した事業については外資100%での運営が認められるケースがあります。製造業を中心に進出を検討している企業にとっては、外資規制の突破口としてもBOI活用が実務的な意味を持ちます。

BOI申請の対象業種と優先度区分

BOIは業種ごとに優遇カテゴリーを設定しており、タイ政府が重点的に誘致したい業種ほど手厚い恩典が与えられます。一般的に優先度が高いとされるのは、先端製造業・バイオ・医療・デジタル・環境関連などの分野です。単純な商業活動(輸入販売のみ)や小売業単体はBOIの対象外となることが多く、「販売法人」としての設立にはBOI申請は不要なケースが大半です。

POINT

BOI申請は「必ずしも全社が行うべきもの」ではありません。製造拠点・研究開発・特定サービス業を設置する企業には大きなメリットがありますが、タイ国内での販売活動を主目的とする場合は、まずDBDでの会社設立とThai FDA対応を優先することが現実的な進め方です。

BOI申請で準備すべき主要書類

BOI申請では、事業の実態と投資計画の具体性が審査の核心となります。一般的に求められる書類は以下のとおりです。なお、書類はすべて英語またはタイ語での作成が基本となります。

  • BOI申請書(Application Form)
  • 事業計画書(事業内容・投資規模・雇用計画・売上予測を含む)
  • 会社登記証明書(既存法人の場合)または設立予定概要
  • 工場・事業所の図面または賃貸契約書(製造業の場合)
  • 日本本社の財務諸表(直近2〜3期)
  • 技術移転・研究開発計画(技術型優遇を申請する場合)

DBD(商業登記局)による会社設立と外資規制への対応

DBD(商業登記局)による会社設立と外資規制への対応 1 DBD登記申請 2 会社形態選択 3 外資規制確認 4 FBL取得 5 登記完了

DBD(Department of Business Development)はタイの商業省傘下の機関で、会社設立登記・事業変更届・外国人事業許可(FBL: Foreign Business License)の所管機関です。タイに現地法人を設立する際の最初の窓口がDBDであり、この手続きを完了させることで法的に事業を開始できる基盤が整います。

タイの会社形態と外資規制の基本

タイで日系企業が設立する法人形態として最も一般的なのは有限責任会社(Borisat Chamgad)であり、日本の株式会社に相当します。外資規制については前述の外国人事業法(FBA)が適用され、同法のリスト1〜リスト3に列挙された業種については外国人(外資法人)の事業運営に制限がかかります。リスト2・リスト3に該当する業種で外資51%以上を保有したい場合は、FBL(外国人事業許可)をDBDに申請する必要があります。

FBLの取得は審査に時間を要し(一般的に数ヶ月〜1年程度とされています)、すべての申請が承認されるわけではありません。そのため、外資100%で事業を行いたい製造業・特定サービス業については、BOI認定によるFBA適用除外を活用することが現実的なアプローチとして知られています。

タイ有限責任会社(Borisat Chamgad)の設立手順

タイ現地法人の設立は、DBDへの登記申請を中心に以下のステップで進みます。各ステップの所要時間は書類の準備状況と専門家のサポート体制によって前後しますが、スムーズに進んだ場合でも会社設立完了まで一般的に2〜4週間程度かかります。

  1. 1
    会社名の予約(DBD e-Service)

    使用予定の会社名をDBDのオンラインシステムで申請し、重複がないことを確認します。通常1〜3営業日で結果が通知されます。

  2. 2
    定款(Memorandum of Association)の作成・登記

    事業目的・資本金・株主構成などを記載した定款を作成し、DBDに登記します。この時点で最低3名の発起人(株主)が必要です。

  3. 3
    設立総会の開催・取締役選任

    発起人による設立総会を開催し、取締役を選任します。外資企業の場合、取締役の国籍構成が後の就労許可・VAT登録に影響します。

  4. 4
    DBDへの会社登記申請

    必要書類一式をDBDに提出し、会社登記証明書(Certificate of Incorporation)を取得します。登記完了後、法人としての活動が可能になります。

  5. 5
    税務登録・VAT登録(歳入局:RD)

    DBDでの登記後、年間売上が一定額を超える見込みの場合はVAT登録(付加価値税)が必要です。管轄は歳入局(Revenue Department)になります。

FBL(外国人事業許可)が必要になるケース

外国人事業法のリスト2・リスト3に該当する業種で外資51%以上を保有する法人が事業を行う場合、FBLの取得が必要です。リスト3には小売業・卸売業・建設業・会計・法律など多くのサービス業が含まれています。一方で、製造業の多くはFBAの規制対象外であり、外資100%の製造法人を設立することは可能です。

⚠️ DBD手続きで注意すべきポイント
  • 定款に記載する事業目的は広めに設定しておく(後から変更すると追加手続きが必要)
  • タイ人株主の名義借りによる外資規制回避(ノミニー)は違法であり、近年の摘発事例もある
  • 登記住所は実際の事業所住所である必要があり、バーチャルオフィスのみの使用は認められないケースがある
  • 資本金の払込証明が登記に必要であり、海外送金のタイミングと為替レートも事前に考慮する

3機関の申請を業種・商材別に整理する

ここまでThai FDA・BOI・DBDそれぞれの役割を個別に解説しましたが、実務では「自社の進出形態ではどの機関への申請が必要か」を正確に把握することが最初のステップになります。業種・商材・事業スキームのパターン別に整理すると、以下のような対応関係になります。

業種・商材別の申請機関マトリクス

事業スキーム DBD BOI Thai FDA 備考
食品・飲料の現地販売法人設立 必須 任意(FBA制限に注意) 必須(製品登録) 輸入業者ライセンスも必要
化粧品・スキンケアの輸入販売 必須 任意 必須(届出制) ASEAN化粧品指令準拠
製造拠点の設立(製造業) 必須 強く推奨(外資100%・税制優遇) 商材による 工場ライセンス(DIW)も別途必要
医療機器の輸入・販売 必須 任意 必須(クラス別製品登録) 高クラスは審査期間が長い
サプリメント(栄養補助食品)販売 必須 任意 必須(NUT区分登録) 健康効果の訴求には制限あり
ITサービス・デジタル系 必須 推奨(Digital Economy対象の場合) 不要 外国人事業法リスト3に注意

申請の優先順位と並行進行の考え方

3機関への申請は相互に独立していますが、実務上は一定の優先順位と並行関係を意識して進めることで全体のリードタイムを短縮できます。まずDBDでの会社設立は最優先で進める必要があります。

現地法人の設立が完了していないと、Thai FDAへの申請者になれないためです。DBDへの申請と並行してBOI申請の検討・書類準備を開始し、Thai FDAの製品登録はDBD完了後に着手するというスケジュール設計が現実的です。

また、Thai FDA申請は製品ごとに行う必要があり、複数製品を取り扱う場合は各製品の申請を並行させることで全体の審査完了を早めることができます。現地の専門家(タイの弁護士事務所・コンサルティング会社)との連携により、書類の完成度を高め差し戻しリスクを低減することが、スケジュール短縮に効果的です。

費用の目安と資金計画への組み込み方

許認可取得にかかる費用は、政府への申請手数料と専門家への委託費用の2つで構成されます。申請手数料は製品カテゴリーや申請種別によって異なりますが、Thai FDA関連の費用として数千〜数万タイバーツ(製品あたり)が目安とされています。

これに加え、現地コンサルタント・弁護士への委託費として数十万〜百万円規模の費用が別途発生することが一般的です。資本金規模や人件費も含めた全体の進出コストとして、最低でも数百万円規模の初期投資を見込んでおくことが現実的な計画の前提となります。

INFO

なお、具体的な費用感については進出目的・業種・商材の数によって大きく変動するため、まず自社の進出形態を固めてから、専門家に個別見積もりを依頼するという順番が現実的です。料金は関連機関・支援会社の公式サイトよりお問い合わせください。

許認可取得で失敗しないための実務的な注意点

タイ進出の許認可プロセスでつまずく企業に共通しているのは、「申請のことは現地に任せれば何とかなる」という過度な依存と、「書類さえ揃えれば通る」という手続き軽視の2パターンです。実際には、現地パートナーの質と事前の準備水準が審査通過率と期間に直結します。

書類の完成度が審査期間を左右する

Thai FDAを含む各機関の審査において、申請書類の不備による差し戻しは頻繁に発生します。差し戻しが発生するたびに審査が最初からリセットされるケースもあり、書類が完璧な状態で提出することが最大のスケジュールリスク低減策です。

特に、製品の成分データや安全性証明書は日本側の製造メーカーから取得する必要があり、タイの申請直前に依頼して間に合わなかったという事例は少なくありません。日本での書類収集フェーズを、タイでの手続き開始よりも数ヶ月前倒しで始めることが推奨されます。

現地パートナー・専門家選定の重要性

タイの許認可実務は、法令の文面だけでは読み取れない運用上のルールや審査官ごとの判断基準が存在します。タイ語でのコミュニケーションが必要な場面も多く、現地の事情に精通した弁護士・コンサルタント・登録代理人との連携は事実上必須です。

一方で、すべてを任せる姿勢では自社のコントロールが失われるリスクもあります。進捗報告の頻度・責任分担・緊急時の連絡体制を最初に明確にしておくことが、実務上のトラブルを防ぐ鍵になります。

事業計画の変更に伴う追加申請を見越した設計

当初の計画では想定していなかった商材の追加・事業範囲の拡大・株主構成の変更などが生じた場合、それぞれに応じた追加届出または再申請が必要になることがあります。定款に記載する事業目的を最初から広めに設定する・BOI認定の事業内容に将来の拡張余地を盛り込む、といった設計上の工夫が、後の手続きコストを削減します。特にスタートアップ期から数年以内に事業ピボットが想定される場合は、柔軟性のある設計を専門家と議論しておくことが実用的です。

事前準備で得られるメリット準備不足による主なリスク
  • 審査期間の短縮(差し戻しリスク低減)
  • スケジュール通りの事業開始
  • 専門家費用の最適化(修正作業の削減)
  • 現地パートナーとの信頼関係構築
  • 申請差し戻しによる数ヶ月の遅延
  • 法人設立後に事業開始できない空白期間
  • 追加コストの発生(修正・再申請費用)
  • 現地在庫・人員確保との時間的ズレ

国際ビジネス連結機構がタイ進出支援で提供できること

許認可の手順を把握したあと、多くの担当者が直面するのは「では実際に誰に相談するか」という問いです。ここでは、国際ビジネス連結機構が海外進出支援において提供している価値を、客観的な事実ベースで紹介します。

アジア現地との実践的なネットワーク

国際ビジネス連結機構は、台湾・シンガポール・ベトナム・香港などのアジア市場での実績を積み重ねてきた機構です。理事陣がそれぞれ現地での事業展開経験を持ち、現地の法人設立・販売チャネル構築・現地パートナーとの関係構築において実務レベルでの知見を有しています。タイ市場についても、ASEAN域内での横断的な事業経験を踏まえた示唆を提供できる立場にあります。

タイ進出を検討している企業に対しては、許認可取得の全体像を理解した上で「どの専門家・パートナーにどの部分を任せるか」という設計段階から一緒に考える伴走型の支援を行っています。単なる情報提供ではなく、実際のビジネス展開に即した議論ができる点が、会員企業から評価されている点の一つです。

タイ進出を検討する方の最初の一歩として

「自社の商材がThai FDAの対象になるか確認したい」「BOI申請が本当に必要かどうか判断軸が欲しい」「現地法人設立の費用感を把握した上で経営会議に臨みたい」といった情報収集段階の相談も、国際ビジネス連結機構では受け付けています。まず全体像を整理した上で、具体的な次のステップを一緒に考えることができます。

こんな方は無料相談をご活用ください
  • タイへの製品輸出・販売を検討しているが、許認可の全体像が見えていない
  • Thai FDA・BOI・DBDのうち、自社が対応すべき機関を明確にしたい
  • タイ進出のコスト・スケジュール感を経営判断の材料として把握したい
国際ビジネス連結機構について
一般社団法人国際ビジネス連結機構は、海外進出を検討する日本企業と現地市場・パートナーをつなぐ支援を行っています。台湾・シンガポール・ベトナム・香港での実績を有し、2025年以降は中東・東南アジア各国への展開も加速しています。会員企業150社超(2025年3月時点)が在籍しています。
無料相談はこちら

まとめ:タイ進出の許認可取得を整理する

タイへの事業進出に際して関わる主要3機関——Thai FDA・BOI・DBD——は、それぞれ異なる役割を担っています。この3機関の関係を整理し、自社の業種・商材・事業スキームに応じて「どこに何を申請するか」を明確にすることが、タイ進出準備の出発点です。

  • DBDへの会社登記は、すべての事業形態において最初に完了させるべき手続き
  • Thai FDAへの製品登録は、食品・化粧品・医療機器・サプリメントの現地販売の前提条件
  • BOI申請は必須ではないが、製造業・外資100%希望の場合は強力な活用メリットがある
  • 申請書類の完成度がスケジュールを大きく左右するため、日本側の書類準備を先行させる
  • 現地の専門家と進捗・責任分担を明確にした上で連携することがトラブル防止の鍵

タイ市場はASEAN域内でも成熟した消費市場であり、消費財・健康食品・美容製品・医療機器など幅広い分野で日本製品への需要があります。その市場にアクセスするためには、制度的な準備を着実に積み上げることが不可欠です。

国際ビジネス連結機構では、タイを含むASEAN各国への進出を検討している企業を対象に、実務的な観点からの情報提供と支援を行っています。許認可の整理から現地パートナー選定まで、最初の相談窓口として活用いただけます。

よくある質問

Thai FDA申請は日本の本社から行うことができますか?

Thai FDA申請は、タイ国内に登録された法人(現地代理人または自社の現地法人)が行う必要があります。日本の本社が直接申請することはできないため、現地法人設立または現地の登録代理人との契約が前提となります。現地法人設立はDBDへの申請から始まりますが、設立完了まで数週間かかるため、Thai FDA申請のスケジュールと合わせた計画を立てることが重要です。

BOI申請は必ず行わなければいけませんか?

BOI申請は義務ではなく任意です。販売法人として日本製品を輸入・販売する場合はBOI申請なしで事業を開始できます。

ただし、製造拠点を設置する・外資100%での運営を希望する・法人税免除などの優遇を受けたいという場合には、BOI申請の活用が有効です。自社の事業スキームに応じて、申請するかどうかを判断してください。

タイでサプリメントを販売するには、どのようなThai FDA申請が必要ですか?

サプリメント(栄養補助食品)はThai FDAのNUT(栄養食品)区分として登録申請が必要です。日本での「機能性表示食品」に相当する制度は存在しないため、健康効果に関する広告表現には制限があります。申請には成分リスト・安全性データ・製造国証明書・タイ語ラベル案などが必要で、審査期間は一般的に3〜6ヶ月程度とされています。

タイの外国人事業法(FBA)による外資規制はどのように確認できますか?

外国人事業法のリスト1・2・3は、タイ商業省DBDの公式ウェブサイトや、日本貿易振興機構(JETRO)のタイ進出関連レポートで確認できます。自社の事業が該当リストに含まれるかどうかは、事業目的の書き方によっても判断が変わる場合があるため、現地弁護士または専門家に個別確認することを推奨します。

タイへの進出スケジュール全体で、どの程度の期間を見込めばよいですか?

事業形態・商材・書類準備の状況によって大きく異なりますが、一般的な目安として、DBDでの会社設立に1〜2ヶ月、Thai FDA製品登録(食品・化粧品の場合)に2〜6ヶ月、BOI申請(申請する場合)に2〜4ヶ月程度を見込む必要があります。これらを並行して進めることはできますが、DBD完了後でないとThai FDAに申請できない点に注意が必要です。事業開始の目標日から逆算して、12〜18ヶ月前から準備を始めることが現実的なスケジュール設計と言えます。

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上田 直之
理事上田 直之

株式会社アーツ、東証スタンダード上場企業PAとのJV、ベトナム進出支援PAエンタープライズ代表取締役社長、シンガポール現地法人BeautyJapan代表取締役社長を兼務。アジア最大級の美容博覧会の日本事務局を運営。

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